ファインブランキングによる高品質・高効率な機器製造の提案

ByMedtec Japan編集部

ファインツール・ジャパン株式会社はMedtec Japan 2017で「ファインブランキング」による新たな医療機器製造を提案した。

ファインブランキングとは特殊な打ち抜き加工で、一般のプレス加工と異なり、3つの圧力を被加工材に加えることで、精度の高い滑らかなせん断面と良好な平面度を持つ部品を得る方法(関連記事、ならびに1)。順送金型を用いて、成形も打ち抜きと同じプロセスで行えば、機械加工等の二次加工が不要で即組み付け可能な精密部品を、コスト効率の高い一連の加工プロセスのみで製造できる。

図1 通常のプレス加工とファインブランキング加工の違い
通常のプレス加工製造では、金属板の3分の1までが平滑に切り取られているが、残りは裂けてしまっている。対照的に、ファインブランキング加工製造では、金属板全体が平滑に剪断されている。

2~8mmの厚さ、最大で80キロ級の高張力鋼の材料が加工でき、ファインブランキングとファインフォーミングを組み合わせると月産数十万個の生産が可能だ。一般的に月産5万個以上でコストメリットがあるという。

ファインツールでは専用プレス機や精密金型を提供するほか、部品の製造受託を行う。これまで刃物や、自動車用の駆動システム(オートマチックトランスミッションなど)、シート・リクライナー、シート・ハイト調整レバー、エアバッグ用部品などで採用されており、高い信頼性が求められる自動車部品の製造でシェアを確立している。部品の約200点がファインブランキングで製造されている自動車もあるほどだ。

高品質かつ効率的な製造プロセスを構築するためには、顧客と緊密なコラボレーションにより部品設計、材料の検討、金型設計を行う必要がある。同社では、図面の段階で顧客の相談を受け、シミュレーション解析ソフトや試作対応などを駆使することにより、どのようにコストを下げるか、どのような部品とすべきかを議論しながらトータルソリューションを提供している。

これまで自動車部品が同社の売上の9割を占めていたが、他分野の製造業に向けてもファインブランキングを提案できないか模索している。その1つが医療機器で、既にディスポーザブルの外科用手術器具(ステープラー)の部品や、内視鏡手術器具の部品などで実績がある(2)。

図2 外科用ステープラーと内視鏡手術器具

なお、ファインツールはグローバルには、3つの開発センター〔スイス、米国(シンシナティ)、日本(神奈川県厚木市)〕、13カ所の工場〔ドイツに5工場、スイス、米国、中国、日本に2工場(神奈川県厚木市、愛知県常滑市)ずつ〕を展開し、欧米およびアジアのニーズへの対応を行っている。

ファインツール・ジャパンの取締役副社長のマーセル・ペルニッチ氏によると、今回のMedtec Japan出展のねらいは、多くの人にファインブランキングを知ってもらい、医療機器業界が求めているものを探ること。医療コストの増大は国家財政でも大きな課題になっており、医療機器部品の製造コスト削減につながるファインブランキングにはメリットを感じてもらえると期待している。

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