日本伝統の組紐技術を生かした「圧電組紐」

ByMedtec Japan編集部

関西大学システム理工学部の田實佳郎教授と帝人株式会社(本社:大阪市中央区)は、ポリ乳酸繊維を使用の圧電体を組紐状にしたウェアラブルセンサー「圧電組紐」を世界で初めて開発した。

圧電体は、圧力を加えると電気エネルギーを発生し、逆に電気エネルギーを加えると伸縮する特性を有する物質の総称で、その特性を利用し、スイッチなどのセンサーやスピーカーなどのアクチュエーター(駆動体)として使用されている。

関西大学と帝人は、2012年にポリL乳酸とポリD乳酸を積層させることで透明性・柔軟性を付与した「圧電フィルム」、2015年に世界初のポリ乳酸繊維を用いたウェアラブルセンサー「圧電ファブリック」、2016年12月には、従来の圧電素子にはない荷重依存的、持続的に電圧が発生するという特性を持つ「圧電ロール」を共同開発しており、環境配慮型素材であるポリ乳酸を圧電体として適用する可能性を拡げてきた。

今回開発した圧電組紐は、日本の伝統工芸である「組紐」の技術を用いることにより、1本の紐で「伸び縮み」「曲げ伸ばし」「ねじり」といった動きのセンシングを可能にした世界初の組紐状ウェアラブルセンサーだ。柔軟かつ屈曲性のある紐状のセンサーであるため、目的に合わせて様々な太さや長さ、形状に調節することができる。また、低ノイズ、高感度を実現しており、はんだ付けが不要で、小型コネクタで容易に機器と接続することもできることから、一般産業用のセンサーとして幅広い用途での使用が期待される。

さらに、この屈曲性のある組紐に古くから伝わる「結び」の手法を用いることでファッション性を加えることのみならず、より鋭敏に反応を示すセンサーとしても使用できることから、チョーカーなどの首飾りにして、脈波や嚥下、咳などを識別する生体センサーとして活用することも可能だ。

(帝人株式会社のリリースより)

今後は、関西大学と帝人が引き続き共同で要素技術の研究・開発を行うとともに、帝人グループで衣料・産業資材製品の開発・販売を担う帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市中央区)が用途開発を推進する。織り編みや刺繍、組紐など、従来のウェアラブルセンシングデバイスに欠けていた 「ファッション性」や「着用感」などのニーズに応じて仕様を調整できるため、ファッション やスポーツアパレル、インテリア、ヘルスケアなどの用途を中心に幅広い展開を図っていくという。

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