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「自分を知るメガネ」、JINS MEMEの可能性

「自分を知るメガネ」、JINS MEMEの可能性

ByMedtec Japan編集部

メガネはかけている人にとって、日常生活でもっとも長時間身体に触れているデバイスである。JINSメガネの株式会社ジェイアイエヌでは、このような性質からコンシューマ、ビジネス、さらに医療・ヘルスケアも視野に入れてメガネの可能性を探っている。「World of IoT」(12月14~16日@東京ビッグサイト)の同社ブースで「自分を知るため」のメガネ、「JINS MEME」のデモを体験した。

JINS MEMEに装備されているのは、独自開発の3点式眼電位センサ(鼻パッド)と6軸(加速度・ジャイロ)センサ(つるの先端部分)。前者が、眼球の角膜側がプラスの電位であることを利用して視線の動きやまばたきを検出し、後者が体軸変化(姿勢)を検知する。その他Bluetoothモジュールとバッテリーを搭載。

もともとは、認知症になると眼の動きが緩慢になり、重心が後ろよりになるため、それらを検知できれば認知症に早く気づき、先制医療ができるのではという東北大学の川島隆太教授の知見から示唆を受けた。

現在ビジネス向けで試験的に行っているのは、トラック運転手の眠気検知、フィットネス施設でトレッドミルを利用するランナーの姿勢検知、集中度を測るアプリ「オフィス」を利用した集中度の研究など。

今回ブースでは、JINS MEMEと「オフィス」を用いた集中度を測定するデモを行っていた。JINS MEMEをかけて一定の文字を書く作業を行って集中度を測定。JINS MEMEの重量は40g弱で記者が普段かけているメガネとも変わらない。センサのある鼻パッド部分にボリュームがある感じがするが、それも慣れれば気にならないかもと感じた。

結果は上写真の通り。集中度(まばたきの数)、リラックス度(まばたきの強さ)、姿勢(6軸センサ)という3つの観点から脳の状態を評価している(詳しい機能はJINS MEMEのウエブサイトをどうぞ)。集中度を測るだけで集中度のアップ効果があるといい、アプリを使えばカレンダーと同期してどのような時間帯に集中度が高まるかなどを知ることができる。

同社ではJINS MEMEを広く提案し、様々な研究や開発に生かしてもらいたいと考えている。眼の動きと姿勢を知ることには、様々な可能性がある。興味・関心を計測する研究やドライアイ研究、歩行姿勢の検知とロコモ予防の研究、涙液による眼電位変化を生かす研究、眼の動きとストレスとの関連の研究などが進められている。

他にも目線やまばたきで電子デバイスを操作するアプリを開発中で、最近ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のDJが音楽をかけたり、照明を変えたりするというイベントを開催した。身体が不自由な人の生活支援デバイスとして福祉分野にも可能性がある。

同社では既に一般のメガネ市場シェアを一定程度達成しており、数年前から付加価値を生み出すメガネやアイウェアの開発を戦略的に進めている。まずパソコンのブルーライトをカットする「JINS PC」は従来のメガネユーザー以外に訴求しヒットとなった。特定のビジネスから横展開し提案型で付加価値を見つけていく手法で、医療やヘルスケア、福祉分野でどのような広がりを見せるか、今後が期待される。

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