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液滴レンズがスマートフォンを顕微鏡に変える

小さなスリップカバーレンズの開発が、初のスマートフォン顕微鏡への道を開き、発展途上国における疾病診断の様相を変える可能性を秘めている。

いまや、世界で最も貧しい国々の人でさえも、携帯電話にアクセスすることができる。そのため、スマートフォンはこれまで高額なために医療を受けることができなかった人々にも、よりよい治療を受けられる可能性を提供しつつある

このたび、オーストラリアの国立大学をベースとする研究チームが、スマートフォンに付着させてスマートフォンを高解像度の顕微鏡に変えるレンズのシンプルで安価な作製法を設計・開発した。

シドニーを拠点とするGarvan医療研究所と連携し、この研究チームは2個のLEDランプと平らなボタン電池を備え、レンズを固定可能な3Dプリント対応フレームも開発、携帯端末への取り付けを促進するというもの。

曲面デバイスに微量の液を加えることで、拡大機能を倍率最大160倍、解像度4μmに高めることができる。 まだ美しさと堅牢性への取り組みが必要であるとはいうものの、この小さなデバイスは非常に大きな影響を生む可能性がある。

サラセミアなどの血液疾患や単なるカビの成長など、多くの診断が顕微鏡下で行われる。

マラリアさえも簡単な染色法で検出することができ、このような診断方法が小さな携帯型顕微鏡でリモート実施可能であれば、発展途上国でのマラリア診断の様相を変えることになるかもしれない。

試料を採取し、準備し、保管してから遠くの試験所での評価に送る必要がある場合、診断は時間がかかり、高額かつ困難になる。 しかし、診断を実施できる方法が手近にあれば、効果的な治療の可能性が大幅に高まり、コストを劇的に削減できる。

研究チームはすでにこのレンズの皮膚科遠隔診断における利用の可能性を調べることを目的としたドイツのグループからアプローチを受けている。

これをさらに推し進め、その他診断法向けの特殊なアプリを開発することにより、スマート顕微鏡の可能性が拡大され、小さな多機能試験所の形成が可能になるだろう。