アボットが2017年に示したもの

FreeStyle Libre 血糖モニタリングシステムのFDA承認は
アボットの輝かしい1年をもたらした
(Image courtesy of Abbott)

アボットはMD+DI誌が選ぶメドテック・カンパニー・オブ・ザ・イヤー 2017に輝いた(関連記事)。これはアボットが見せた患者ケアに対する実績とインパクトのためだけではなく、数々の障害にもかかわらずアボットが示したリーダーシップのためでもある。

ByAmanda Pedersen(オリジナルの英文記事はこちら

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、人間の究極的な評価はその人が順境にある時でなく逆境にある時にこそ測るべきであると言った。このことは医療機器、診断機器企業にも当てはまる。

2017年はアボットにとって簡単な年ではなかった。年頭から、失敗すると考えられたAlere社との買収交渉に直面したが、ついに10月に買収を完了し、2016年以来悩まされてきた悲劇を乗り越えた。

さらにアナリストたちは2017年前半、FDA査察を受けた製造施設(以前はセント・ジュード・メディカルにより運営)からの製品販売計画に懸念を抱いた。多くの関係者が、査察によって磁気浮上の補助人工心臓、Full MagLev HeartMate 3のような機器の承認が遅れるのではないかと危惧していた。

「しかし、私たちは当初の計画にしっかりと取り組みました」とCEOのMiles White氏は10月の第3四半期業績発表で述べている。「予定通りすべての承認を取得したという点で第3四半期は非常に満足のいく結果となりました」。

同社は2017年に第3四半期の数件を含む20件以上の新製品を発売した。

糖尿病ケアにおけるインパクト

多くの承認のなかで特筆すべきは、成人の糖尿病患者の血糖モニタリングの代替としてのFreeStyle Libre血糖モニタリングシステムの承認であろう。

「私たちは最新であり、レリバント(relevant)でありつづけようとしています」とWhite氏はMD+DI誌からのメールでの質問に答えている。「その取り組みを示すのが強力な製品パイプラインであり、FreeStyle Libreのような新製品がその1例です」。

FreeStyle Libreの承認は、40年以上血糖測定の標準的方法だった日常的な指先穿刺を不要にしたという点で、米国の糖尿病患者にとっての大勝利であった。多くのアナリストの予想より早く行われた血糖モニタリングの代替としての承認により、患者と医師は、FreeStyle Libreからの情報に基づいて指先穿刺を行わずに治療を決定することができるようになる。

「糖尿病患者さんは血糖値を想定する際の最大の障壁は、指先穿刺の痛みだと私たちに話しました」と医療機器部門副社長のRobert Ford氏はMD+DIに語った。「FreeStyle Libreを使えば指先穿刺は不要になり、患者さんの血糖測定の回数は増え、よりよい治療成果も得られます」。

もう1つの大きな勝利は、2017年7月にBigfoot Biomedical社がDexCom社ではなくアボットを技術パートナーに選んだことだろう。Bigfoot Biomedicalは1型糖尿病患者向けの人工膵臓の開発レースにおいて、メドトロニックやTandem Diabetes社などと同じく重要な位置を確保しており、アボットと同じくメドテック・オブ・ザ・イヤー2017のファイナリストである。同社のアプローチは、他社のハードウェアと自社のアルゴリズムやソフトウェアを組み合わせてクロード・ループ・ソリューションを開発するというものだ。

「Bigfoot Biomedicalとの提携により、FreeStyle Libreの血糖センシング技術とBigfootのインスリン送達技術を組み合わせて、従来の糖尿病治療につきものであった負担と痛みから患者を解放する新システムを開発できるのです」とFord氏は述べている。

限界に挑戦する検査

他のニュースに隠れているがアボット関連で意義深いのは、欧州で中央検査施設向けにAlinityシステムを発売したことだろう。アボットは2018年には本システムの米国での発売を予定している。

Alinityの検査機器ポートフォリオにより、医療制度により高度な効率性、柔軟性、信頼性がもたらされ、医師・看護師が意思決定と患者ケアに必要な結果を得られるようになると期待される。本システムをサポートするのは、検査施設が既存のリソースを生かして作業の生産性を高めることを支援するアボットのコンビネーション・サービス/インフォマティクス・ソリューションであるAlinIQだ。

「世界の医療制度は財政上のプレッシャーを受けており、私たちによいソリューションがないかを求めています」と診断機器部門副社長のBrian Blaser氏はMD+DI誌に語った。「新たな診断システムであるAlinityの開発にあたって、私たちは膨大な時間を顧客と過ごし、彼らが臨床検査と患者ケアを次のレベルに進める手助けとなる機器を設計しました」。

これらの最新の機器をはじめとするアボットの2017年の成果はすべて、2018年のアボットの成長を導く原動力になるだろう。

カテゴリー: