感染・合併症予防がカテーテル周辺機器市場を牽引(海外情報)

米国では、ポートアクセスニードルや、ミッドラインおよび伸長留置末梢カテーテル、血管アクセス用の超音波システム、カテーテル固定具といった製品へのニーズが拡大している。

ByGraeme Fell and Kamran Zamanian(オリジナルの英文記事はこちら

2017年時点で血管アクセス機器や周辺機器の米国市場は一貫して成長しており、この成長は、ポートアクセス針、ミッドラインおよび伸長留置末梢カテーテル、血管アクセス用の超音波システム、カテーテル固定具を含む複数のセグメントに及んでいる。市場全体の成長は、感染とカテーテル関連合併症を防ぐ目的で設計された製品に牽引される一方、旧型製品の顕著な落ち込みにより制限を受けている1

最近のカテーテル治療のトレンドとしては、ミッドラインが増え、感染と血栓の発生率が高いため末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)が減少していることがよく知られている。最近のいくつかの出版物では、医療従事者向けのカテーテル選択と挿入技術のガイドラインを紹介している。“Michigan Appropriateness Guideline for Intravenous Catheters (MAGIC)”は、ミシガン大学から2015年9月に発表されたガイドラインであり、PICCにかわってミッドラインの使用を増加させるような内容となっている2。同様に、Infusion Nursing Societyが発表した“2016 Infusion Standards of Practice”では、pH値のようなセントラルラインの適応が削除され、ミッドラインが適当とされる症例が増えている3。2015年以来、これらのガイドラインを使用し、カテーテル関連合併症を減らすための手段を取ろうとする医療従事者が増えている。

カテーテル固定具市場の成長

感染症やカテーテル挿入の失敗を減らすために重要なのはカテーテル固定を行うことである。伝統的にはPICCや末梢静脈カテーテルの固定にはテープやガーゼ、包帯が使用される。これが最も一般的なカテーテルの固定方法であることは変わりないが、中心静脈カテーテル(CVC)の場合には縫合が最も一般的である。しかし、1997年に登場したカテーテル固定具は合併症を減らすのにもっとも効果的であることがわかった。2017年には、カテーテルの固定具市場は売上で6%以上拡大し、この成長は2024年まで続き、カテーテル挿入手技のコストを増やしつつ血管アクセス市場全体を牽引すると期待される1

ユニット分析 - カテーテル固定法

2017年の時点では、米国で最も一般的なカテーテルの固定方法はテープやドレッシング材、あるいは両者を組み合わせたものだ。カテーテル固定具の使用は増えているものの、米国で使用されるカテーテル手技のほんの一部で使用されているにすぎない。また、CVC以外では使われない縫合用品の市場はもっと小さい。CVCと比べて末梢静脈カテーテルは約40倍多く行われている。

カテーテルタイプの動向

PICCやミッドラインカテーテルは主にカテーテル固定具で固定されるが、カテーテル全体でもっとも多いのは標準的な末梢静脈カテーテルである。販売価格が安いため、末梢静脈カテーテルのために専用の固定具を使用することはコスト面から正当化しにくい。したがって、大部分の末梢静脈カテーテルは専用固定具を用いずに固定されている。

もし、末梢静脈カテーテルの固定に適した安価で効果的な器具が開発されれば、カテーテル固定具の使用が大幅に増える可能性がある。このような新しい機器の登場が期待される一方で、3MのTegaderm I.V. Advanced Securement Dressingsのようなドレッシング材が市場を支配し続けると考えられる7

競争の拡大

米国のカテーテル固定具市場をリードするのはC.R.BardのStatLockシリーズだが、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー(BD)による同社の買収が2017年秋に完了した。Centurion Medical、TIDI Products、3Mもカテーテル固定具を展開しているが、C.R.BardはStatLockシリーズを同社製PICCやミッドラインカテーテルキットに組み込むことで市場を支配している1,4

Centurion MedicalのSorbaView SHIELDはStatLockより安く販売されており看護師の評価は高い。歴史的に顧客はカテーテルのフルキットを好む傾向があったためCenturion Medicalは苦戦を強いられてきたが、2015年に同社がメドライン・インダストリー、カーディナル・ヘルスと静脈穿刺キットでの連携を発表して以来、風向きが変わった5,6。TIDI Productsと3MもそれぞれGrip-LokシリーズとPICC/CVC Securement Device + Tegadermの販売によって競争に参加している1,7,8

結論

血管アクセス関連機器の米国市場は2024年まで成長を続け、この成長は患者の治療成果を改善するための新しいカテーテル技術と周辺機器によって牽引される。今後、適切なガイドラインに従う医療従事者が増え、購買者は合併症を減らすことのできるカテーテルや周辺機器を選好するようになるだろう。こうした動向からカテーテル固定に関する市場は大きな利益を得るだろう。

References

1. U.S. Vascular Access Device Market – 2018. iData Research.
2. Chopra V, Flanders S, Saint S, Woller S, O'Grady N, Safdar N et al. The Michigan Appropriateness Guide for Intravenous Catheters (MAGIC): Results From a Multispecialty Panel Using the RAND/UCLA Appropriateness Method. Annals of Internal Medicine. 2015;163(6_Supplement):S1.
3. Infusion therapy standards of practice. Norwood, MA: Infusion Nurses Society; 2016.
4. C.R. Bard. Stabilization Devices [Internet]. 2017.
5. Centurion Medical. Products by Vascular Access Site [Internet]. 2017.
6. Centurion Medical. Press Releases [Internet]. 2017
7. TIDI Products. Grip-Lok [Internet]. 201
8. 3M. 3M Securement Devices for Medical [Internet]. 2017.

著者紹介:Graeme Fell is a research analyst at iData Research and was the lead researcher for the 2018 United States Vascular Access Devices and Accessories Market report.
Kamran Zamanian, Ph.D., is president, CEO, and a founding partner of iData Research. He has spent over 20 years working in the market research industry.

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