患者自身が医用画像を管理・閲覧できる新サービスを発表

2017年12月8日、医療情報のネットワーク化を目指すメディカル・データ・ビジョン株式会社(MDV)(本社:千代田区)、テクマトリックス株式会社(本社:港区)、社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院(所在地:石川県七尾市)は共同で、「患者が自身で医用画像を管理・閲覧できる新サービス」について、記者発表を行った。

ByMedtec Japan編集部

まずMDV代表取締役社長の岩崎博之氏より新サービスが紹介された。MDVでは、病院向けに診療情報を医療機関と患者が共有できる仕組みである「CADA-BOX」を提供しており、そのなかで患者が自身の診療情報を閲覧・保管できる「カルテコ」、キャッシュレス会計を可能にする「CADAカード」(関連記事)といった患者へのメリットを追求するサービスを展開している。

今回MDVはCT、MRIなどのDICOM規格の医用画像も患者が閲覧・管理できるよう、テクマトリックスが提供する病院向けの医療情報クラウドサービスである「NOBORI」と「カルテコ」を連携させる。患者の同意が得られたデータをクラウド(NOBORI)上に保管し、カルテコを通じて閲覧・管理できる。病院からクラウドに上げる際には暗号化、秘密分散の技術でセキュリティを強化。インターネットの環境があればどこからでも閲覧可能だ(通信はSSLで暗号化)。

カルテや検査情報、処方などに加えて患者が自身の医用画像にアクセスできることで、病気に対する理解向上、病気の理解に基づいた選択、医師との円滑なコミュニケーションが可能になり、与えられる医療ではなく「参加型の医療」を実現できることが、患者にとっての大きなメリットになるという。

これまで医療データの一元化というと施設間連携のイメージだったが、カルテコ×NOBORIにより「個人にデータを返して、個人が施設を移動していく」(岩崎氏)、患者のカルテコがハブになるような連携をイメージできる。2020年頃までに全国すべての2次医療圏で1病院の導入を目指していくという。

次にテクマトリックス株式会社 取締役上席執行役員の依田佳久氏がNOBORIについて紹介。同社は2012年の厚労省通知により医療機関以外の民間業者による医療情報の保管が認められるようになったのと同時に医用画像を含む医療情報を共有できるクラウドサービスNOBORIをスタートした。2017年10月末の時点で700以上の施設に導入され1,900万を超える患者のデータ、1億を超える検査データを管理している。同社ではスタート当初より患者もデータを共有できる仕組みを構想しており、MDVと目指すビジョンが同じであることから今回の提携に至った。

続いて本サービスの導入を決めた医療機関を代表して、社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院理事長の新野正博氏がコメント。同会は能登半島で先端医療から福祉までを担うグループだが、以前よりICT化による医療の質向上に努めており、1997年より1患者1IDによるデータ一括管理に取り組んできた。持続可能な包括ヘルスケア体制のためには、患者自身の生活の場での自助とICT活用がカギになると考えており、患者が自分の情報をもてる、患者参加型医療を後押しする仕組みであること、医療データベースとして活用できる将来性があること、持続可能性のある事業モデルであることから導入を決めた。

患者にとっては、診断画像の変化をいつでもどこでも時系列で確認できる、急な受診の際などにかかりつけでない医師にも共有できる、セカンドオピニオンの際に活用できるといったメリットがある。

病院にとっても、画像共有によって患者との信頼関係の構築、患者の理解促進による治療への積極的な参加が期待できる、患者との診療内容共有に対する手間とコストが削減できるといったメリットがあるとまとめた。

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