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医工連携と国内外にイノベーションに向けた提言を:医機連メディアセミナーレポート

医工連携と国内外にイノベーションに向けた提言を:医機連メディアセミナーレポート

2017年11月20日、一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は第5回メディアセミナーを開催。日本の医療機器産業の集積地である東京都文京区本郷地区における「メディカルヒルズ本郷®」や、行政・規制当局に向けた最近の産業界としての取り組みを紹介した。

ByMedtec Japan編集部

まず医機連の渡部眞也氏より挨拶があり、2018年の診療報酬改定を控えステークホルダー間の議論が活発化しているなかで、医機連としても発信や提案を続けていきたいとメディアセミナー開催のねらいを述べた。

続いて医機連の会員団体でもある商工組合日本医療機器協会の今村清理事長が、協会の紹介と同会が本郷を拠点に行っている医工連携の取り組みについて紹介した。

同協会は1911年に設立され厚生労働省が認可する唯一の商工組合だ。中小企業を中心に321社が加盟しており、国内外の経営環境変化への対応や関連法規に関する情報提供、本郷に建てた医科器械会館の運営、展示会・交流・商談会といったものづくり企業とのイベント開催などを行っている。

会員企業を含む400社を超える医療機器関連企業が集まる本郷地区を「メディカルヒルズ本郷®」として登録商標化し、近年ものづくり企業と医療機器メーカー(製販業者)をつなぐ医工連携の取り組みを進めてきた。

背景には、日ごろから製品開発の潜在的ニーズがあることに加え、法規制対応や後継者問題による従来のものづくりパートナーの廃業などのため、製造や製品の安定供給に支障が起こりはじめていたことがあげられるという。

2013年にものづくり中小企業が多く立地する大田区から展示会視察の要請を受けたことをきっかけに医工連携の取り組みを本格的にスタート。その後、全国の自治体との連携を進め2018年3月までに1都2府22県と展示商談会を開催する。

これにより都道府県の補助金を利用するものづくり企業と、開発のニーズなどの情報やノウハウを提供する本郷の製販業者をマッチングするという中小企業の連携に最適な枠組みが活性化することになった。

さらにこの枠組は臨床ニーズを提供する大学や医療機関にも広がり、製販業者とものづくり企業が臨床現場からニーズを聞きにいく連携の形も出てきた。今後も医療機器産業の周知、法規制の理解促進、人脈づくりを行い全国の中小企業とのつながりで開発を目指すと今村氏は締めくくった。

次に、医機連産業会議議長の和田賢治氏より最近の産業界からの発信として「第一回革新的医療機器創出のための官民対話」と「薬事規制当局サミットシンポジウム」の実施報告があった。

前者は日本における医療機器産業の成長のため行政と産業界、アカデミアが政策対話の場をもつもので2017年10月にはじめて医療機器単独で開催された。産業界からは(1)医療ICT活用の推進、(2)研究開発、(3)グローバル化の推進、(4)サステイナブルな社会保障の4つのテーマが提示された。

議論になったのは、遠隔診療や遠隔病理診断の周辺国での推進、医療機器の相互認証、患者への負担を考慮に入れた保険収載、UDIによる経済効果、臨床ニーズに合わせた機器開発、海外で行われている遺体を用いた訓練・試験、グローバル治験への参加、中小企業の後継者不足といった課題であった。アカデミアからは産業界からの意見をサポートするようなコメントが多い印象だったという。

また、加藤勝信厚生労働大臣からは今回の提言を受け止めて産官学の連携、協議が展開することを期待しながら後押ししたいとのコメントがあったという。

薬事規制当局サミットシンポジウム」は2017年10月に京都で薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)会合と合わせて初めて日本で開催された。日、米、欧、中、ブラジルなど30を超える国と地域の薬事規制当局の責任者が参加して薬事規制のあり方等の課題について意見交換する。

本サミットの成果を公表するものとして会期後にシンポジウムが行われ、医薬品規制調和国際会議(ICH)などの特定分野での成果とならんで、エボラウイルスやジカウイルスなどのパンデミックへの対応といった国際連携の課題が論じられた。医機連からは「革新的医療機器を早期に患者に届けるために」とのテーマで渡部会長が講演を行った。

また、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥氏はいち早く革新的な医療を患者に届けるとともに、コストを抑えた医療を提供しなければならないという2つの命題を追求しなければならないと論じていたが、これが今回の薬事規制当局サミットにおいても通底するテーマとして共有されていると感じられたという。

和田氏は以上のように最近の活動をまとめ、行政やグローバルな会合において意見を提言していくことは医療機器産業の成長にとって有意義な活動であると締めくくった。

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