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イメージセンサー先端搭載の血管内視鏡カテーテルを開発

イメージセンサー先端搭載の血管内視鏡カテーテルを開発

11月28日、大阪大学とパナソニック株式会社は、直径1.8mmでありながら約48万画素相当の高画質で血管内における前方視を可能にする世界初の“イメージセンサー先端搭載型血管内視鏡カテーテル”の実用化に成功したと発表した。

ByMedtec Japan編集部

現在、血管内治療に用いられる血管内観察用医療機器として、超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)があり、これらの機器はモノクローム(単色)での血管断面の観察を得意とする。一方で、臨床現場では、リアルタイムに前方の状況を見ながら治療したいというニーズがあった。

今回開発した血管内視鏡カテーテルは、先端にイメージセンサーを搭載することにより、フルカラーで血管の前方方向を観察することを可能にした。この血管内視鏡カテーテルの実用化には、血管の中に挿入する細い筒状のカテーテルの先端に、更に小さなイメージセンサーを実装する精密加工技術と、これらを制御し高画質画像を構成する技術が必要だった。

南都伸介 元大阪大学教授(現 西宮市病院事業管理者)と岡山慶太 大阪大学国際医工情報センター特任助教(常勤)らの研究グループは、2013年11月にデュッセルドルフで開催された国際医療機器展MEDICAにてパナソニックの技術に出会い、構想中であったイメージセンサー先端搭載型血管内視鏡カテーテルへの応用が図れると考え、帰国後直ちに共同研究開発体制を立ち上げた。

2014年度からは、産学医工連携プロジェクト『Project OVALIS』を発足させ、同年より経産省、2015年度よりAMEDの医工連携事業化推進事業の支援を受け、基礎実験、動物試験などの実証実験と設計開発のサイクルを積み重ね、約4年をかけて実用化を達成した。

本研究開発の成功により、血管内の動脈硬化の様子や、血栓、ステント留置後の状態を、高画質のフルカラー画像で把握することが可能になる。これにより、通常の血管内治療において病変部の情報を術者に提供できるばかりでなく、近年増加傾向にある完全閉塞病変といった治療難度が高い症例において、前方方向にある治療ターゲット部位の情報をリアルタイムで提供できる点において、特に有用であると考えられている。新薬の効果や新しいステント、人工血管などの評価にも寄与できると考えられ、血管内治療全体の発展に大きく貢献することが期待される。

開発品の主な特長

1.世界初“イメージセンサー先端搭載血管内視鏡カテーテル”

大阪大学の臨床現場から生まれたアイデアと同国際医工情報センターの医療機器開発のノウハウ、そして、パナソニックが保有する精密加工技術を組み合わせることで、イメージセンサーをカテーテル先端に搭載した次世代血管内視鏡カテーテルを実用化した。

2.フルカラーで血管内の前方視を実現

本開発品はフルカラーで対角90°と広視野角で血管内の前方視が可能。これにより、血管内治療時に、前方をリアルタイムに観察しながらガイドワイヤーなどの操作を行うことが可能になった。完全閉塞病変などの治療難度が高い症例において、大きな役割を果たすと考えられる。

3.直径1.8mmで約48万画素相当の高画質を実現

パナソニックが長年培ってきたカメラの超精密加工技術や超解像技術により、直径1.8mmでありながら48万画素相当という高画質を実現した。これにより、主に末梢血管における動脈硬化や石灰化の様子、血栓、ステント留置後の状態などが詳しく観察できるようになった。血管内治療時に必要な病変の情報を提供するのみならず、新薬や新しいステントなどの評価において、有用な情報を提供できる可能性がある。

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