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ロボティクスと機械学習によるスマート・リハビリの可能性

ロボティクスと機械学習によるスマート・リハビリの可能性

神経障害のある患者のリハビリテーションはロボットと人間のセラピストのサポートにより最もよく達成できる。このようなリハビリがどのようなものかを紹介する。

ByMichal Prywata(オリジナルの英文記事はこちら

WHOによると、毎年1,500万の人々が脳卒中を発症しており、米国はそのうち約80万人を占めている。この脳卒中患者の3分の1(約500万人)には障害が残り、元の身体能力の一部でも回復させるためには理学療法やある種の治療が必要になる。

脳卒中患者にとって運動能力を失うことは一般的であり、多くの場合で身体の片側に障害が残り、歩行や手を握ることができなくなるといったことが多い。現在の治療は、理学療法士がエクササイズやストレッチを行って身体のバランスの取り方を習得したり筋力を増強したりするものだ。脳卒中やその他の神経疾患患者に対する従来の理学療法は、過去数十年にわたって十分に効果的ではあったものの、新たな技術が治療に使えるようになると新しい可能性が開けてくる。

運動学習の干渉や記憶固定に関する最近の研究では、神経障害患者の最適な治療は、ロボットが身体障害を軽減し、人間のセラピストがそれを機能に生かすというロボットと人間の協働を通じて達成されることが示唆されている。

ロボティクスと機械学習技術の進歩により、測定と即時的な双方向性の反応という点で高い能力をもったロボットによる治療法の可能性が開かれた。これにより、人間のセラピストは患者の数少ない運動をガイドしたり、進歩を記録したりするだけでよくなり、ロボットは多くの運動をガイドし、患者の連続的に変化する反応に対して調整を行いながら微小な反応を検知できるようになる。

現在のロボット治療システムでは、患者の能力を学習しながら人間のセラピストより「スマート」に多くのデータを処理できるという点でより正確なエクササイズをガイドできる。患者が動くことができないでいると、ロボットは目標にむけて運動の開始をやさしく支援する。運動の協調ができない場合は、ロボットは適切な方法で練習が行えるように身体の動きをガイドする。運動の強度を増し能力が上がると、ロボットはさらなる向上を促すためにより少ない支援を行うようになる。

最も重要なのは、ロボット治療による介入は、患者の進歩や能力について計量的なフィードバックを行えるという、人間のセラピストにはできない点である。脳卒中患者にとって、指を上げたり握りこぶしを作ったりといったわかりやすい動きでないと進歩を理解することは難しい。患者は目に見える進歩がないとストレスを感じることがあるし、進歩を感じられないとリハビリをあきらめてしまうかもしれない。新しい技術により、データを測定し、動きを検知できるようになったことで、セラピストも患者が日々に達成する進歩の量を患者に示すことができる。

これによって人間による治療が古くなって廃れると言いたいわけではない。患者とセラピストの人間的なつながりは依然として重要な要素である。しかし、有効な治療の最善な組み合わせを提供するために革新的なロボット技術を利用して人間的要素を増強することは重要である。

著者紹介:Michal Prywata is co-founder, chief operating officer, and director of Bionik Laboratories, a robotics company focused on providing rehabilitation and mobility solutions to individuals with neurological and mobility challenges.

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