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米FDAに認可されたTransEnterixの手術ロボット(海外情報)

米FDAに認可されたTransEnterixの手術ロボット(海外情報)

米TransEnterix社製の手術ロボットが昨年(2016年)のいくつかの挫折を経て、ついにFDAの認可を得た。

ByAmanda Pedersen(オリジナルの英文記事はこちら

FDAが認可したTransEnterix社“Senhance Surgical Robotic System”(以前はALF-X Systemとして知られていた)(画像提供:TransEnterix)

同社にとって、手術ロボットシステムを米国に導入することは大変な苦闘だったが忍耐強く取り組んだことが実を結んだ。10月中旬、FDAは同社の“Senhance Surgical Robotic System”を認可した。これを受けて同社株も急騰した。

米ノースカロライナ州のモリスビルを本社とするTransEnterixは、2015年に手術ロボットシステムを買収し、昨年(2016年)はFDAの要求を満たすため詳細なユーザビリティ調査に多くの労力を費やした。“Senhance”手術システムは、腹部外科手術ロボット分野で2000年以来初の新規参入として、市場リーダーのインテュイティブ・サージカルや新規参入を狙う他社と競争を行うことになる。

Senhanceを使用すると外科医は、コンソール・ユニットあるいはコックピットに座り、術野の3D高解像度画像を見ながら、3本のロボットアームを遠隔で操作できる。各アームの端には従来の腹腔鏡手術で使う手術器具を備えることができる。2つの大きな特長は、外科医がロボットアームで掴む組織の硬さを“感じる”ことができる「力のフィードバック(the force feedback)」と、視線を動かすだけで器具の動きをコントロールできる「アイ・トラッキング(eye-tracking)」である。

FDAによると、Senhanceシステムは、結腸・直腸と婦人科の手術において、視野の確保、把持、切断、鈍的あるいは鋭的切開、近似、結紮、電気的焼灼、縫合などを含む内視鏡下の操作に関する正確なコントロールを支援することを目的に使用される。

「米国におけるSenhanceシステムの認可はロボティクスの進歩にとってのマイルストーンであり、新たな効率性と価値、さらには患者、外科医、病院にとっての選択肢を改善することが期待されます」とTransEnterixの社長兼CEOであるTodd Pope氏は述べる。「米国では毎年、数百万件もの手術が腹腔鏡下で行われていますが、基本的なマニュアルのツールのため外科医の能力、操作性、快適性が制限されています」。

Pope氏によると、この技術は、ユーザーの感覚、操作性、快適性を高めながら、患者への侵襲度を最小化し、病院への価値を最大化するロボット手術に新たな選択肢を加えるという。

同氏はMD+DI誌に、Senhanceシステムは、病院も外科医も既存の設備を生かすことができ、これまでの投資が無駄にならないオープンアーキテクチャー戦略を取っていると語っている。例えば、使用する画像システムには外科医の強い好みがあるが、TransEnterixでは使用する画像システムに自由度がある。また、トロッカーや手術ベッドも選ばない。

「病院にはすでにできあがったエコシステムがあります。Senhanceはこのエコシステムの中で使われるよう努めています」とPope氏。

また、Senhanceは完全に再利用可能な器具を使用しており、既存の手術システムを使用するより手術あたりのコストを大幅に削減できることが期待される。器具を再利用可能にすることにより、ロボット手術の拡大という課題に取り組んでいるとPope氏。

手術ロボット市場では主要装置のコストが導入のハードルになるため、TransEnterixは今年初め、特定の病院に対してSenhanceシステムをすぐに導入できるリースや類似の契約を提案することを検討していると明かした。BTIGのSean Lavin氏を含む医療機器アナリストの何人かはこの動きを懸念している。

3月にLavin氏は「病院には経営的な圧力がかかっているのは理解できるが、資金が限られる初期段階の企業がリースを提供しはじめることには懸念がある」と調査ノートに記載している。

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