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X線撮影装置を問わずにトモシンセシス画像を得られる新技術

X線撮影装置を問わずにトモシンセシス画像を得られる新技術

10月11日、島津製作所は、専用ファントムとともに被検者を撮影したX線画像に独自の画像処理を行うことで、様々な一般撮影システムやX線TVシステムでトモシンセシス画像を取得可能にする新しい技術を開発したと発表した。

ByMedtec Japan編集部

位置合わせ用ファントムの設置イメージ(白い直方体がファントム)

本技術を実用化できれば、トモシンセシス撮影に必要な機械的機構が搭載されていない一般撮影システムやX線TVシステムでもトモシンセシス画像を取得することが可能になり、骨折部位の詳しい観察といった整形領域への貢献が期待できる。

トモシンセシスとは、Tomography(断層撮影)とSynthesis(合成)から作られた医療用語で、連続した複数枚のX線撮影画像から断層画像を作り出す技術。骨折線の詳細な観察や人工関節置換術後の経過観察など、整形領域を中心に有用性が認められている。現在、島津製作所の製品では、一般撮影システムのフラッグシップモデル「RADspeed Pro EDGE package(ラドスピード プロ エッジ パッケージ)」およびX線TVシステムのフラッグシップモデル「SONIALVISON G4(ソニアルビジョン ジーフォー)」でトモシンセシス撮影が可能となっている。

トモシンセシス撮影を用いると、骨や組織の重なりを避けて画像を得ることができ、単純X線撮影では確認が難しい骨折線の観察なども可能になる。しかし、この撮影を行う装置には極めて精密な機械制御機構が必要となるため、トモシンセシス撮影が可能な機種は限られる。同社は、トモシンセシスをさらに利用しやすい技術とすることを目指し、強みとするX線画像処理技術を生かして本技術を開発した。

新技術は、独自の位置情報算出アルゴリズムや、少ない撮影枚数でも断層画像の画質を保つ新しい手法に基づくもの。被検者の撮影部位付近に専用の位置合わせ用ファントムを設置して照射角度を変えながらX線撮影し、得られた複数枚の画像を専用ソフトウエアで処理することで、トモシンセシス撮影のための精密な機械制御機構が搭載されていない一般撮影システムやX線TVシステムでもトモシンセシス撮影が可能になる。同社による評価では、従来のトモシンセシス画像と同等の空間分解能を確認している。

今後ユーザビリティの向上やさらなる画質改良に取り組み、実用化を進める。まずは同社の一般撮影システムに適用して2018年内に実用化することを目指し、その後対応機種の拡大を計画しているという。

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