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アボット、日本初となるマルチポイント ペーシング搭載のCRT-Dの国内承認取得

アボット、日本初となるマルチポイント ペーシング搭載のCRT-Dの国内承認取得

ByMedtec Japan編集部

7月11日、アボットは、Quadra Assura MP(TM)両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の医療機器製造販売承認取得し、8月1日に発売することを発表した(医療機器製造販売承認は、アボットの100%完全子会社であるセント・ジュード・メディカル株式会社が取得)。

Quadra Assura MP(TM) CRT-Dに搭載された、日本初となるMultiPoint(TM)ペーシングは、CRT(心臓再同期療法)においてより進化したアプローチを可能にする。左室ペーシングにおける選択肢が追加されたことにより、従来のCRTによる効果が認められない患者にとって有効である可能性がある。本承認はMultiPoint(TM)ペーシング治療を展開する重要な第一歩となるという。

うっ血性心不全の患者に対して、CRTは心機能を最適化するため、独自にプログラムされた電気的刺激をリードを介して送り、左右の心室を刺激して拍動を同期させることによって、両心室を再同期させる。患者の中には従来の4極左室リードペーシング(Quartet左室リードを用いたペーシングで、4つの電極のうち適切な1つの電極からペーシング刺激を送るようプログラミングすることが可能)を用いたCRTによっても治療の効果が認められないノンレスポンダーがおり、このことがCRTにおける重要な課題となっている。また、CRTの効果が認められない患者を植込み前に特定することはできず、個々の患者の効果を事前予測することもできない。

これまでの研究では、より多くの心室の心筋組織をより速く活動させることによって、心臓の動きが向上する可能性が示されている。従来のように心拍毎に単一パルス(ひとつの刺激)を送るのではなく、左室の2か所にペーシングパルスを送るMultiPoint(TM)ペーシングによって、より多くの左室心筋組織を迅速に捕捉(心筋細胞がペーシング刺激に反応)させることができる。4つの電極が独自の間隔で配置されたQuartet(TM) 左室リードを用いることによって、医師は、同一リードから2つの電気刺激をプログラミングすることが可能となり、個々の患者のニーズに合わせた調整を行うことができる。

筑波大学医学医療系循環器内科学 教授 青沼和隆氏のコメント
「個々の患者様の病態に応じた心臓再同期療法を行えるということは、複雑な背景を合併した心不全患者様に対する臨床的手段の大きな前進を意味します。MultiPoint(TM)ペーシングは、CRTに対するレスポンスを改善するために、非侵襲的なプログラミング調整を可能とする一連の新しいツールを提供します。それを必要とする多くの患者様にとって、新しい重要な治療の選択肢が広がることになります。」

● 国立循環器病研究センター循環器科 草野研吾氏のコメント
「MultiPoint(TM)ペーシングは、海外では既に多くの使用実績があり、有効性に関する様々なデータが提示されています。CRTノンレスポンダー患者様の新たな対策治療として期待しています。MultiPoint(TM)ペーシングをその他の心不全管理のための機能と組み合わせることで、個々の患者様に対して最善のCRT治療を構築できるものと考えています。」

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