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TAVR用デブリ除去機器がFDA認可

TAVR用デブリ除去機器がFDA認可

Claret Medicalによると同社のSentinelシステムはTAVR後72時間の脳卒中を63%減少させる。

ByAmanda Pedersen(オリジナルの英文記事はこちら

経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)時に発生するデブリ(組織の破片)をとらえ除去する機器がFDAの認可を得たことにより、米国の患者はより安全にTAVRを受けられるようになる。カリフォルニア州サンタローザのClaret Medicalはすぐに、大規模なTAVR実施施設に向けて同社のSentinel 脳保護システムを販売開始すると発表した。

TAVRは障害のある大動脈弁を低侵襲に置換する一般的な方法となっているが、術後72時間以内に約10人に1人の患者で脳卒中が発症するという報告もある。この脳卒中は、手術中に患者の元の心臓弁や大動脈壁からはがれたデブリが脳に到達することによっておこると考えられている。

Claret Medicalのシニア・バイス・プレジデントでインターナショナル・ジェネラル・マネジャーであるJames Hallums氏はQmedによるインタビューで、TAVR患者は術中死よりも脳卒中を心配していることが多いと語った。

ピボタル試験であるSENTINELランダム化比較試験では、この機器の使用によってTAVR後72時間の脳卒中が72%減少した(発生率は、この機器によって保護されない患者では8.2%、保護された患者では3.0%)。また、この違いは90日間維持されたという。

頚動脈や末梢血管へのインターベンションに対する塞栓防止機器は他にも販売されているが、今回のSentinelシステムはTAVRに特化した最初の機器となる。

「臨床医として脳損傷のリスクを減らすためにできることはすべて非常に意義深いことです」と医師のMartin Leon氏はいう。「TAVR後72時間の脳卒中の72%減少という結果に加え、4人に1人の患者で肉眼でも見える平均25個のデブリの除去が認められたという事実は非常に印象的です」。

コロンビア大学メディカルセンターおよびニューヨークのPresbyterian New Hospitalのレオン氏は今回の臨床試験のチェアマンをつとめた。Sentinelシステムは安全に患部に運ばれ、手技に追加される時間は最小限で、目的通りに作動したと報告している。

同システムでは、腕頭動脈に送達されるフィルターと左総頚動脈まで送達される第2のフィルターを使う。処置の最後にフィルターとデブリがカテーテルの内部に回収され体内から除去される。

今回のFDAの認可に先立って、今年3月に諮問委員会によるヒアリングが行われており有望な結果だった。他の選択肢がないことと安全性リスクが低いことから、諮問委員会は本システムの承認を推奨したが、臨床的有効性については疑念を呈した。新規の臨床応用のため当局は委員会に意見を求めたが、委員会での公式の投票は求めなかった。

ほとんどの委員は、この機器が実際に脳卒中のリスクを減少させることや神経認知的アウトカムを改善することには納得できないようであり、ピボタル試験での患者数(米国とドイツの施設の患者363名)が比較的少ないことについて批判もあった。

しかし委員たちは、デブリが脳に入らないように防ぐことはこの機器がもたらす利益であり、デブリの一部でも脳に入ることを防げることはデブリのすべてが脳に入ることよりよいことであることに同意した。

臨床試験は脳卒中が減少することを示すために設計されておらず、拡散強調MRIによって本機器が脳虚血イベントを減らすことを補強する臨床的エビデンスを示すためのものだった。

結果的に安全性についての結果が諮問委員会を納得させた形だ。臨床試験では、30日間での主要な有害心血管および脳血管イベント(MACCE)の主要安全評価項目が達成され、Sentinelで保護された群ではMACCEの報告は7.3%と、事前に指定された過去の目標である18.3%と対照群の9.9%をいずれも下回った。

「本機器によって他の塞栓予防機器が満たすべき安全性のハードルは高くなったことは議論の余地がないことです」と同社社長兼CEOのAzin Parhizgar氏は述べる。

同社は、今後メディケアおよびメディケイド・サービス・センターと保険償還で新技術加算が認定されるよう連携していくこと、既に本機器に対する償還のためのICDコードを確立したと発表した。

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