新規エンドトキシン除去技術

ByMedtec Japan編集部

ナガセケムテックス株式会社(本社:大阪市)は2001年にナガセグループのケミカル製造4社が統合し(長瀬産業株式会社の100%子会社)、高機能・高付加価値の化学製品の提供と研究開発を行っている。

近年、医療機器や医薬品製造、細胞培養などライフサイエンス分野でエンドトキシン(内毒素)が問題視されはじめ、その除去のニーズがあることに注目し、ナノファイバーを生かしたエンドトキシン除去技術を開発している。

エンドトキシンとは、大腸菌やサルモネラ菌の細胞膜を構成するリポ多糖(lipopolysaccharide:LPS)と呼ばれる成分で、血液中に入ると発熱やショック症状などの生体反応を引き起こす。水道水や沸騰水、蒸留水中に普遍的に微量混在しており、注射用タンパク質、ワクチン溶液などの最終バルク中に微量残存することが問題視されている。また、250℃、30分以上乾熱処理しないと分解しないという化学的に非常に安定した構造のため、除去が困難なことも課題となっている。

同社では熊本大学と共同で、基体にナノファイバーを用いてLPSを大量に吸着する技術を開発した。従来の粒子を用いた除去では、比表面積が小さく吸着容量が小さい、吸着選択性が低いという問題があり、除去できるのも低粘度の液体(注射液など)に限られていた。

ナノファイバーを用いると、比表面積が拡大し吸着容量が増加すること、吸着選択性が高くなること、高粘度の液体(生体ポリマー、足場材、コラーゲンなど)でも除去できることが示されているほか、従来品よりも安価な材料のため、より効率的なLPS除去が期待できる。ミニカラムやフィルターでろ過する除去法も試作している(右写真)。

高い安全性が求められる埋め込み機器の材料の精製では非常にコストがかかっており、このような除去法を応用すれば大幅なコストダウンと製造プロセスの簡素化をもたらす可能性がある。特に今後成長が予想されるコラーゲンやゼラチンを原料とする埋め込み機器、細胞培養で用いる足場材などでも応用が期待される。従来のクリーンルームでの製造工程に組み合わせることでも管理強化やスペックアウト品の減少などのメリットが得られる。

これまでの展示会ではポスター展示にとどめていたが、今回のMedtec Japanではプレゼンテーションを行うなど発信を強め、さらなる連携を探っていきたい。

■ Medtec Japan 2017 ブース番号:1509

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