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海外展開と新しいものづくりを目指して

海外展開と新しいものづくりを目指して

ByMedtec Japan編集部

マイナー疾患でも世界的に見れば患者数が多いことなどから医療機器の海外展開を考える企業は多い。異業種から参入し医療機器を開発、海外展開も積極的に検討している奈良精工株式会社の中川博央社長に最近の動きを振り返っていただいた(以下、敬称略)。


──ばね指手術器具(関連記事)を開発された際、海外では現状の治療が非常に高価であることから、海外展開にもチャンスがあるとおっしゃっていました。どのように進めておられますか?

中川 海外展開という目標がはっきりしていますから、公でも民でも利用できる仕組みを探して利用しています。

当社では、以前から神戸市医療産業都市に参加しており、海外での展示会出展に関してメリットがあります。最近では、Medical Fair Asia 2016(シンガポール)、MEDICA(ドイツ)に中核機関である先端医療振興財団のブースで出展させていただきました。

──海外展示会はいかがでしたか?

中川 MEDICAでは100枚以上名刺交換しました。出展に際して現地で用意していただいた通訳の方も含めて関係づくりに努めます。MEDICAには医師の参加も多く、実際西アフリカの医師からばね指手術器具を使いたいという話もありました。

──心がけていることは?

中川 展示会ごとに何かしらジョイントできる機会を得ることを目標にしています。当社の製品は中小機構の海外ビジネス戦略推進事業に採用されており、9月にはミネアポリスに視察に行ったのですが、この時にはシンガポールの展示会でお会いした日本企業の方に現地のコンサルタントを紹介していただきました。展示会MD&Mに参加したほか、コンサルタントに調整してもらい、メイヨークリニックの医師や現地の役人に会うことができました。

──海外進出の手がかりは得られましたか?

中川 米国に関しては業界通のコンサルタントと契約してFDAや保険制度への対応、販路の調査などを依頼することになりました。今後販売代理店のサーチも行っていく予定です。

欧州ではまずはCEマーク取得を進めています。その後販売代理店やOEM元となる業者を探していこうと考えています。

アジアでもサンプル出荷の依頼などがあり、徐々に進みはじめています。

Subcon Thailand 2016 で講演を行う中川氏

──国内での新しい取り組みについてお教えください。

中川 職人さんが1本1本作っていた手術器具をロストワックスで作るという取り組みを行ってきましたが、ようやく完成品を見せられるようになりました。モノができると職人さんに見ていただけますから、図面通りではうまくいかない手術用ハサミの噛み合いの“逃がし”方などにアドバイスをいただいて、さらに細かい技術的な調整が行えるようになります。ものづくりの形を変えるという試みに出口が見えはじめています。

ただ、現状でも安く作れるものと、作るのが難しいものにどう対応するかという点が課題として残っています。

──整形外科関連ではいかがですか?

中川 現状の「ダブルガイド式腱鞘切開器」は親指以外に使うものですから、親指用のものを開発中です。また、ディスポーザブルの手根管の腱鞘切開用の器具や、腱膜の切開器具も設計中で、手の外科領域の手術器具をカバーすることを目指しています。

──立ち止まることがないですね。

中川 国内の医療機器メーカーの約6割が東京にあります。そのうち当社とお付き合いがあるのはまだまだ10社程度です。ロストワックスの例がそうですが、このコストでこれを作りたいなどの顧客のニーズに細かく対応するのが当社の最大の強みですから、ジョイントを増やせばそれだけチャンスが増えます。

会う人会う人を無駄にせず、前向きだと周囲からも前向きな反応を得られます。今後も技術をなるべくオープンに、前向きな働きかけを心がけていこうと思います。

──ありがとうございました。

■ Medtec Japan 2017 ブース番号:2505

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