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シミュレータロボットを教育・開発のプラットフォームに

ByMEDTEC Japan編集部

株式会社テムザック技術研究所(本社:鳥取県米子市)ではロボット技術を生かし、より人間に近いシミュレータの開発に取り組んでいる。

レスキューロボットや留守番ロボットなど生活支援ロボットの草分けである母体会社の株式会社テムザック(本社:福岡県宗像市)が、鳥取大学医学部附属病院と自走式内視鏡の開発での連携をきっかけに、2014年、医療用ロボット等の研究開発、医療現場からの幅広いニーズを受けて受託開発等を行うため、鳥取県米子市に同社が設立された。

鳥取大学医学部附属病院は、診療科ごとの縦割りではなく病院全体として医工連携などに取り組む組織として、2012年、次世代高度医療推進センターを設置。これまでに大手企業との共同開発による漏れにくい紙おむつ、血糖値測定器データ転送アダプター等を製品化してきた。

同院の医師、看護師、理学療法士、作業療法士といった多職種・多診療科の医療従事者と開発企業の技術者等が直接議論を行うことができる等、院内の風通しのよさを活用して、同社も医療用、医療支援用、教育用ロボットの開発を進めている。

なかでも同社が主力製品として開発しているのが、人間に近いリアリティを追求したシミュレータロボットだ。鳥取大学医学部・附属病院シミュレーションセンター、麻酔科、消化器内科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科など複数の診療科との共同開発によって、人体の構造、柔らかさ、多様性を再現したモデルとなっている(右写真)。

利用者のニーズに応じて、トレーニングできる手技を選べるようにし、各種センサ、音声認識・音声合成による会話等の機能をカスタマイズして販売することを計画している。

実践的な医学教育、手技トレーニングのためにシミュレーションセンターを設置する大学や病院は増えており、重要性の認識が高まっていることから、シミュレータを拡充する動きもある。また最近は、医療機関だけでなく、病院を模擬した医療研修施設を設置する医療機器メーカーや公的機関も増えてきた。「シミュレータロボットを教育と開発のプラットフォームとして活用していただきたい」と代表取締役社長の檜山康明氏。シミュレータは北米、アジアなどの海外市場も大きいため、海外進出にも可能性を感じている。

2016年に試作機が完成した立位作業・就労支援ロボット等福祉向けロボットの開発も地域の医工連携によって進めている。大学病院や地域の医療機関の他、国立米子工業高等専門学校、地元企業と開発協力も行っており、地元の金融機関の協力を得て資金調達している。技術者の人材不足が課題だったが、Uターンにより人材も集まりはじめた。鳥取を含む山陰エリアの力を結集して新たな医療・福祉機器開発の拠点となることを目指している。

■ Medtec Japan 2017ブース番号:3103

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