新技術

ドローンやIoTなど最新技術で「命を救う」EDACがシンポジウムを開催

ByMEDTEC Japan編集部

ドローンやIoT等の最新技術を救急医療、災害対応に活用することを目指す一般社団法人 救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC)(関連記事)は、昨年(2016年)設立以来、総務省プロジェクトへの採用、熊本地震への対応といった大きな出来事を経て、着実に活動の幅を広げている。

2月8日、東京・港区の機械振興会館で、1年の振り返りと2020年に向けた目標、新たな取り組みを紹介する「IoTに関するシンポジウム:救急・災害時における最先端テクノロジーを活用した「命を救う」先進事例からみる2020年日本の未来」を開催した。

熊本地震を住民として経験した理事長の稲田悠樹氏(ドローン操縦者・ドローンメディア運営者)、隣県で経験した副理事長兼CEOの円城寺雄介氏(佐賀県庁職員)が冒頭に口をそろえたのは、どんなすぐれた技術であっても、使い慣れていないと災害時や緊急時には使えないということだ。日常生活でも使いやすく、平時から使い慣れておけるものを提供することが重要という実感を深めたという。

基調講演では、熊本県医療政策課の内田公彦氏が「熊本地震における災害医療の取組み」と題して講演を行った。熊本地震発生から被害、避難状況の経過と、医療ニーズへの対応としては、急性期ではDMATの活動、広域災害救急医療情報システム(EMIS)の活用と課題、病院避難、県外搬送の状況が紹介された。またDMAT解散後に課題となった避難者支援の問題について報告された。

次に円城寺氏から、総務省『IoTサービス創出支援事業』実証成果報告として、福岡で行われた実証実験の結果を中心に発表があった。この実証実験では、山間地で要救護者から連絡を受けたセンターが指示を行い、救急隊員がどのように要救護者を発見するかがテストされた。(1)音声だけの指示、(2)ドローンを組み合わせた指示、(3)スマートグラスで情報共有した上での指示の3パターンが検証され、ドローンとICT技術を増やすほど発見までの時間が短縮されることが示された。今後の可能性として、サーモカメラの活用、ドローンの飛行時間の解決(VTOL機の活用など)、親ドローンによる子ドローンの投下などが紹介された。

パネルディスカッションでは、6人の演者の発表とその後にディスカッションが行われた。総務省の渋谷闘志彦氏は日本のIoT政策と現状と課題、『IoTサービス創出支援事業』を紹介した。杏林大学救急医学教室の加藤聡一郎氏は、福島第一原発における同大高度救命救急医療センターの活動や、3Dレーザースキャナーで地形を検知でき走破性の高い無人車両やIoT機器を使った実証実験を紹介した。EDAC理事長の稲田氏はドローニストとしての立場から、ドローン機体の動向や、国土地理院による熊本地震後の地形の撮影、ドローンによる測量計画、民間スクールの増加といった2016年の動きを紹介した。総務省の片桐広逸氏は5G通信技術推進の立場から、超高速、多数同時接続、超低遅延といった5G通信の特長と5G通信技術が変える未来社会構想を紹介した。岐阜大学医学部附属病院の林賢二氏はEDACと連携しドローンを活用した「いびがわマラソン大会」の救護体制を紹介した。九州大学の松尾久人氏からは同大共進化社会システム創成拠点(九州大学COI拠点)の活動紹介が行われた。パネルディスカッションでは、各演者がEDACの評価と今後への期待についてコメント。ビジネスモデル、医療と技術という異分野間の連携、どのように社会実装していくかという課題や、新しい通信技術やビッグデータの活用といった技術的な展望などが指摘された。

最後にEDAC監事である大畑貴弘氏(株式会社リアルグローブ代表取締役)から、EDACの今後について発表があった。リアルグローブとともに進めている「ヘカトンケイルシステム」では携帯端末などを介した自動的な情報収集によりリアルタイム地図を構築し、救急医療や災害対応に生かすことを計画している。今後、中山間地域で実証をはじめ、都市部へ展開していくことを目指しており、すでにリアルグローブが提供しているクラウドシステムの「SUGOS」とともにオープンソース化することを予定している。東京五輪の行われる2020年を目指した社会実装に向けて活動を拡大・強化していくと締めくくった。

カテゴリー: