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知っておくべきFDAガイダンス文書 in 2016

知っておくべきFDAガイダンス文書 in 2016

医療機器メーカーにとってもっとも重要な、2016年に発行されたFDAガイダンス文書を見てみよう。

ByGordon MacFarlane, PhD, RAC and Cynthia Nolte, PhD, RAC(オリジナルの英文記事はこちら

2016年、FDAは再びポートフォリオの生産性と戦略に実質的で積極的な意味を持ついくつかのガイダンス文書を発行した。以下のガイダンス文書はすべての医療機器メーカーにとって慎重に検討すべきものである。

Use of Real-World Evidence to Support Regulatory Decision-Making for Devices (ドラフト)

FDAによる説明:どのような場合に、新しいあるいは更新された機器の規制上の決定をサポートするために、電子カルテなどの従来型でないデータソース由来のリアルワールド・エビデンス(RWE)を用いることができるかを説明する。

ベネフィット:決定をサポートするデータの幅を広げ、研究コストを減らし、開発サイクルを短縮できる。

チャレンジ:新しいデータソースで科学的厳密さを確立することが課題となる。

展望:特定の機器、適応、対象患者でどのようなRWEが許容されるかを決めるため企業は申請前にFDAと連携すべきである。

Adaptive Designs for Medical Device Clinical Studies(最終版)

FDAによる説明:医療機器開発で用いられる臨床研究のために適応的デザインを計画し実施することについて概説する。それには、定義、いつ適応的デザインを選択すべきか、盲検および非盲検研究での適応的デザイン、様々な適応的デザインの例、潜在的な課題が含まれる。このガイダンスは、適応型試験を行うにあたりFDAと協議することも推奨しており、PMA(市販前承認)、510(k)、de novo、人道的・治験的免除申請のすべての試験段階で適用となる。

ベネフィット:FDAは、治験の効率を改善できる適応的デザインを用いるための有益なガイダンスを推奨し、提供できる。

チャレンジ:適応的デザインでは効果のため追加の計画と正確な実行が要求される。

展望:企業は、必要に応じてFDAや経験豊富なパートナーと協力し、適応的デザインを適用し実行する専門知識を発達させるべきである。

Human Factors Studies and Related Clinical Study Considerations in Combination Product Design and Development (ドラフト)とList of Highest Priority Devices for Human Factors Review (ドラフト)

FDAによる説明:このドラフト・ガイダンスは、人的要因を考慮した工学およびそれを医薬品と医療機器両方の要素を備えたコンビ製品にどのように適用するかについての原則を提供している。プライオリティ・レビューは人的要因での評価が求められる機器カテゴリーを列挙し、申請に人的要因に関するデータが求められるかに関するFDAのアプローチが概説されている。

ベネフィット:人的要因を考慮した工学を設計に含めることで、ユーザーが安全かつ効果的に機器を操作することを保証できる。これにより、機器の承認後に設計の見直しやユーザーによる誤作動を検知するための時間とコストを節約できる。

チャレンジ:人的要因のテスト・プログラムを開発するには時間とリソースが求められる。ヒトに対する使用前に最終の設計を用いて試験を完了しなければならないためタイミングが難しい場合がある。

展望:FDAは人的要因を考慮した工学について継続的にガイダンスを整備している。フォローアップすることにより承認要件の変化に対応することが容易になる。

Medical Device Reporting for Manufacturers, Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff (最終版)

FDAの説明:このガイダンス文書は、製造業者がFDAに有害事象を報告する義務について概説する。免除されない限り、製造業者は医療機器報告(MDR)要件に対応する書面による手続きを実施しなければならない。フォローアップ調査や医学・科学論文で報告を行う際のガイドラインも含まれる。

ベネフィット:MDR要件に従うためのシナリオに対処する基本的な質問と推奨事項に対する回答を提供している。

チャレンジ:事象後に機器や患者の情報を得るような調査上の問題を扱っていない。

展望:MDR手続きが不十分であることは、FDAによる製造業者査察でもっとも多く指摘される不備である。このガイダンスではMDRプロセスと文書化が適切であることを確かめるために役に立つ。

Deciding When to Submit a 510(k) for a Change to an Existing Device (ドラフト)とDeciding When to Submit a 510(k) for a Software Change to an Existing Device (ドラフト)

FDAの説明:このガイダンスでは、どのような場合に機器変更のために510(k)市販前通知が求められるかを決定するためのFDAの要件を更新している。体外診断およびそれ以外の機器について、ラベル変更と技術、設計、性能、材料の変更を評価するための原則とフローチャートを提供している。また、リスク評価のための検討事項、510(k)が必要あるいは不必要な理由と事例、510(k)が不要な場合に求められる文書が含まれる。ソフトウェアのガイダンスは、どのような場合にソフトウェアの変更によって510(k)の提出が求められるかという点に集中している。

ベネフィット:どのような場合に機器あるいはソフトウェアの変更によって510(k)が求められるかを明確化しており、文書提出の決定の一貫性を改善する。

チャレンジ:すべての可能性のある機器の変更をカバーしていないため、応用の際には解釈が求められる。

展望:企業はガイダンス上の評価アプローチを、機器やソフトウェアの変更に関する規制面での影響を評価するための手続きに統合すべきである。

Postmarket Management of Cybersecurity in Medical Devices(ドラフト)

FDAの説明:サイバーセキュリティの脅威による危害のリスクをなくすため、ソフトウェアやプログラムを使用する医療機器の製造業者はこの新しいリスクを特定し、評価し、軽減するための継続的なプログラムを開発すべきである。

ベネフィット:サイバーセキュリティの脅威を積極的に軽減することで、ソフトフェアの障害が原因の機器の誤動作による患者への危害を軽減できる。

チャレンジ:技術進歩とともに持続的に進化していくサイバーセキュリティのリスクを特定し軽減していくことは難しい。

展望:業界はサイバーセキュリティのリスク管理プログラムの要件を継続的に明らかにし、製造業者が機器の安全性を保てるよう情報共有を行う必要がある。

CDRHのガイダンス目標

1年前、FDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH)は、発行すべきガイダンスを「Aリスト」、可能であれば発行すべきガイダンスを「Bリスト」として優先度を発表した(関連記事)。2016年にCDRHはほぼすべてのAリストの最終版およびドラフトを発行したが、下記のリストのうち3つ(斜体で表記)の最終版のテーマを残し、1つのドラフトのテーマを残した。検査室検査の監督に関する最終版ガイダンスについてはトランプ新政権と連携するために発行を遅らせている。

最終版ガイダンス・トピック

  • General Wellness Products(ウェルネス製品)
  • Medical Device Accessories(医療機器アクセサリ)
  • Benefit-Risk Factors to Consider when Reviewing IDE Submissions(IDE申請レビュー時に検討するベネフィット・リスク要因)
  • UDI Direct MarkingUDI直接マーキング)
  • Adaptive Design for Medical Device Clinical Studies(医療機器の臨床研究のための適用デザイン)
  • Incorporating Patient Preferences into Medical Devices Premarket Approvals, Humanitarian Device Exemptions, and De Novo Classifications(医療機器市販前承認についての患者による選択の考慮、人道的機器への除外と新規分類)
  • Applying Human Factors & Usability Engineering to Optimize Medical Device Design(医療機器設計を最適化するための人的要因とユーザビリティ・エンジニアリングの適用)
  • Policy for Regulatory Oversight of Laboratory Developed Tests (LDTs)LDTの規制制度)
  • Submission and Review of Sterility Information for Devices Labeled as Sterile(滅菌ラベルのある機器の滅菌情報の申請とレビュー)
  • Use of ISO 10993-1, Biological Evaluation of Medical Devices Part I: Evaluation and Testing (Biocompatibility)〔ISO10993-1医療機器の生物学的評価Part 1:評価と検証(生体適合性)の使用〕
  • Postmarket Surveillance Studies Under Section 522 of the Food, Drug, and Cosmetic Act(食品・医薬品・化粧品法第522項に基づく市販後サーベイランス研究)
  • Medical Device Reporting (MDR) for Manufacturers〔製造業者の有害事象報告システム(MDR)〕

 

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