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ドナルドかヒラリーか:医療機器業界への影響

ドナルドかヒラリーか:医療機器業界への影響

医療機器業界がかかわる問題について、初回の公開討論会の前の時点での2人の米大統領候補の考えの違いを見てみよう。

ByNancy Crotti(オリジナルの英文記事はこちら

業界にとってどちらの候補がよりよいだろう?共和党候補のドナルド・トランプ氏と民主党候補のヒラリー・クリントン氏の最初の公開討論会が終わるまで、その答えはわからないかもしれない。

最近Commonwealth Fundにより発表された報告書、Rand Corp. レポートから1つの手がかりが得られる。このレポートを元にした記事によると、クリントン氏の医療政策プランは健康保険の給付対象を900万人増やすのに対して、トランプ氏のプランは2,000万人減らすという。

いずれの陣営もQmedの医療機器関連質問リストに回答をしていないが、メディアによる取材や各候補のウエブサイトで得られた追加の情報からわかることを以下に記す。

医療機器税

クリントン氏は医療機器税の恒久的な撤廃については確言していない。それはAdvaMedの会議で話した際もそうだった。連邦議会は、2015年12月に約1兆ドルの予算案を可決した際、2.3%の医療機器税を2年間猶予することを認めた。業界では2013年から導入されたこの税制により多くの失業者が出たとしている。

トランプ氏は幅広く税制について語っているが、特に医療機器税に絞った話はしていない。Denver Business Journalの記事によると、7月のコロラド州の保守グループとの会合では、「失業者を増やすような規制をなくす」、「大幅な税制改革と簡素化を行う」と語っている。

Inversion”(高い法人税を避けて海外へ移転すること)目的の合併

トランプ氏は、企業が税金の支払いを減らすために海外に行こうとするのは責められないと言っている。一方で、国外移転を促している米国の高い法人税を批判しており、米国に事業を引き戻す方法として、法人税の最高税率を35%から15%に下げることを提案している。また、The Nationの記事によると彼は以前、海外に資産を持つ企業が非課税で国内に資産を戻せる1回の「送還税免除」を提案していたが、のちに撤回し、10%の課税を行うと述べている。

クリントン陣営ではウエブサイトで、“inversion”やそれに関する手続きを議会や規制によって制限し、非課税となっている海外での売上分の精算を行うために、米国を離れようとしている企業に「出国税(exit tax)」を課すとしている。

また、合併後の海外企業の株式保有比率の上限を50%とする制限を導入することを計画している。議会が“inversion”と関連する抜け道の問題を解決しないのであれば、クリントン氏は米財務省に、“inversion”の大きな利点の1つである“earnings stripping”を取り締まることも含め、“inversion”を防止し、それが可能にしている税金逃れを制限することを求めると述べている。

オバマケア

クリントン氏は、いわゆる「オバマケア」といわれる医療費負担適正化法(Affordable Care Act)の撤廃に対しては強く反対の態度を示し、同じく民主党大統領候補だったバーニー・サンダース氏が主張するような「パブリック・オプション」(連邦政府が保険者となる医療保険)として、税金が資金となる医療保険を拡大することを約束している。CNNによると、クリントン氏は医療保険のパブリック・オプションを長年支持しているという。

トランプ氏は、「すぐにオバマケアを完全撤廃することを議会に要求し、『医療へのアクセスを拡大し、より安価にし、すべての国民が利用できる医療の質を改善する』ために自由市場の原則に基づいて改革を行うよう議会と連携する」と述べている。また、トランプ氏は、複数の州での医療保険の販売を禁止している現行法の改正、メディケイドの条件を見直し、望む人が医療保険を利用できるよう州政府と連携を行うと約束した。

メディケア・メディケイドの見直し

トランプ氏は、「将来世代にわたってメディケアを残し」、「メディケイドのベーシック・オプションを見直し、医療保険の給付を受けたい人が利用できるようにする」ことを約束している。メディケイドの資金を包括補助金の形で州に与え、「連邦経費」をなくすとしている。彼によると、各州は不正や無駄、濫用を防ぐためのインセンティブをもつことになる。

また、ウエブサイトOn the Issuesによると、トランプ氏は「おそらくメディケアのコンセプトを通じて」低所得者のケアを提供すると述べている。さらに、Des Moines Registerによると2015年のイベント(Iowa Freedom Summit)でトランプ氏は、社会保障、メディケア、メディケイドを維持し、「ぎりぎりまで削減することはない」と約束した。

クリントン氏は55歳以上の人がメディケアを購入できるようにすることを支持すると約束した。また、連邦政府が認可する病院や地方のクリニックを含め、医療提供者がメディケアや他の医療保険上で、遠隔医療の償還を受けられるようにする効率的な方法を探求するとしている。さらに、州知事と連携して、すべての州でメディケイドを拡大し、メディケイドと医療費負担適正化法の適用を迅速化するとしている。保険償還システムをメディケアとメディケイドの連携ケアモデルに拡大し、自閉症を含む発達障害をもつ子どものためのメディケイドの適用とともに州の適用を増やすと約束している。

医療分野の研究開発

クリントン氏は、科学技術の研究開発に加え、技術移転への投資を支援すると表明している。また、権利の所在が不明な技術の入手を容易にしたり、連邦政府の資金援助による知的財産のオープンライセンス化を促進したりすることで、イノベーターに報酬を与え、創造的な内容を守るための効果的な著作権制度を保証することと約束した。さらに、イノベーションを妨害することなく、消費者保護を強力に進めると述べている。

トランプは米国立衛生研究所(NIH)について聞いたことを「ひどい(terrible)」と述べているが、その程度のことしか発言していない。

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