最新インスリンポンプの改善法の検討

カナダの研究チームは、1型糖尿病患者の血糖管理を改善する目的で、人工膵臓に組み合わせてpramlintideを使うことを検討している。

ByMaureen Kingsley(オリジナルの英文記事はこちら

最近、メドトロニックは、1型糖尿病患者の血糖値をモニターし適切な量の基礎インスリンを供給する世界初の「人工膵臓」であるMiniMed 670Gインスリンポンプ(右写真)がFDAの承認を取得したことを発表した(関連記事)。現在、1型糖尿病研究財団であるJDRFのカナダ支部ではマギル大学(モントリオール)と連携し、同システムの血糖管理性能を改善する方法を調査している。

JDRFカナダはマギル大学生体医工学・内分泌学教授であるAhmad Haidar氏に466,450ドルの助成金を交付している。助成金の目的は、1型糖尿病患者の血糖値管理にとって、人工膵臓から供給されるインスリンとともにホルモンであるpramlintideを投与することで、どのような効果があるか調査することを支援することだ。

Pramlintideは、食物が胃から小腸に流入する速度を下げ、グルカゴンの放出を抑制する膵ホルモンで、肝臓が貯蔵されたグリコーゲンをグルコースに変換する合図となる。このメカニズムによって血糖値は下がり、患者はインスリン用量を減らすことができる。

JDRFは、MiniMed 670Gのような人工膵臓の血糖コントロール性能を強化し、実際の膵臓の機能を再現できるようにするために、pramlintideを人工膵臓内で使用することの可能性を検証するために、Haidar氏らが臨床試験を実施することを支援するとしている。マギル大のチームは食間と食後にこのホルモンを投与することを検討するという。

「Pramlintideを同時に投与することにより、他の人工膵臓モデルと比較して血糖コントロールを改善できると期待しています」とHaider氏はJDRFの発表で述べている。

メドトロニックはMiniMed 670Gの発売を2017年春に予定。このハイブリッド・クローズド・ループ・システムはユーザーの血糖パターンとインスリンの必要量を学習するアルゴリズムを備えている。5分おきに血糖値を計測し、それに応じてインスリンを投与あるいは中止するが、食事前のインスリン投与は手動で行う必要がある。メドトロニックでは、食事時のインスリン投与も手動で行う必要がない完全自動のクローズド・ループ・システムの開発を進めている。

FDAの発表でOIVD(Office of In Vitro Diagnostic Device Evaluation and Safety)所長のAlberto Gutierrez氏は、今回メドトロニックが当局と長期にわたって議論を続けてきたことは、他の医療機器メーカーが見本とすべきモデルになると指摘している。「科学的に適切で効果的な臨床試験のデザインを担保し、FDAの評価と、それに続く患者に変化をもたらすことのできる機器の承認を早めるために、当局と緊密に連携することを、私たちはメーカー各社に奨励します」とGutierrez氏は述べている。

著者紹介:Maureen Kingsley is a contributor to Qmed.

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