ルネサス、小型センサ・ハブ向けローエンドマイコンを発売

By:Medtec Japan編集部

9月29日、ルネサス エレクトロニクス株式会社は、センサ応用システム、なかでも複数のセンサにつながり、センサの出力信号をデジタルデータに変換するセンサ・ハブと呼ばれる機器向けに小型パッケージのローエンド汎用マイコン「RL78/G11」を開発し、10月よりサンプル出荷を開始すると発表した。

新製品は、産業分野ではデータセンタの熱対策に向けたコンピュータの稼働環境モニタ、ヘルスケア分野では健康管理のウェアラブル機器などさまざまな分野で使用される小型のセンサ・ハブに向けて開発されたもの。(1)パッケージの端子数が24ピン以下のマイコンでは業界最多(注:2016年9月29日時点、ルネサス調べ)となる最大13個のセンサに対応、(2)手軽な開発環境の提供により試作および評価の期間を短縮、といった特長を有する。

新製品の採用によりユーザは、省電力なセンサ・ハブやセンサ応用システムの短期間での試作・開発が容易になる。

サンプル価格は、例えば20ピンLSSOPパッケージ・民生機器向けの「R5F1056AASP」が120円/個(税別)です。量産は本年12月より開始し、2018年には月産50万個を計画している。評価ボード、開発ツール、ソフトウェアなども順次提供する計画だという。

近年、電子機器の自動化・センサ機能強化により、新しい需要の創出が期待されている。例えばヘルスケア分野では、ウェアラブル機器により血圧・脈拍数などのデータを蓄積・分析し、毎日の健康管理や病気の早期発見につなげる試みが始まっている。このような技術の発展には、センシングの高度化やセンサの増加が不可欠だが、これによる消費電力の増加は特にバッテリ搭載機器で大きな課題となっている。

また、3Dプリンタの活用などにより、機器の試作・開発期間は短くなる傾向にあり、マイコンの開発環境にも、より簡単に短期間での試作・開発に対応する工夫が求められている。

新製品はこのような市場ニーズに応えるため開発されたもので、センサ・ハブやセンサ応用システムの小型化、省電力化、バッテリ長寿命化や、ユーザの試作・開発期間の短縮に貢献する。

ルネサスはこれらの新製品により、省電力な電子機器の普及と、エコな社会の実現に貢献していくという。

新製品の特長の詳細

(1)24ピン小型パッケージで、業界最多となる最大13個のセンサに対応

新製品は、端子数24ピン/25ピン製品ではアナログ入力11チャネル・シリアル通信6チャネルを搭載。小型パッケージながら最大で13センサからの信号入力に対応する。センサからの信号入力は、スタンバイ状態でも動作する内蔵アナログ機能、シリアル通信(受信)機能での処理により、複数センサのシステムでも省電力な制御が可能。さらにスタンバイ状態からCPU動作へ4μs(マイクロ秒)での高速ウェイクアップおよびCPU動作状態を最適化するフラッシュ動作モード遷移など、省電力に貢献する機能を有している。また、電源電圧1.8Vから動作する内蔵の定電圧を基準に、バッテリ電圧の計測・センシングが可能。これらの活用により、間欠動作の消費電力を削減し、センサ・ハブやセンサ応用システムの省電力化・バッテリの長寿命化に貢献する。

(2)手軽な開発環境で試作・評価の期間を短縮

ルネサスは新製品の開発環境として、同社製16ビットマイコン「RL78ファミリ」の標準的な開発環境に加え、超小型のプロモーション・ボードや、お手軽プログラミング・ツールも開発中。プロモーション・ボードは、ボードひとつで、プログラムのデバッグ・書込みに対応し、ブレッド・ボードや導電性インクペンを用いた試作にも対応できる。お手軽プログラミング・ツールは、GUI操作のみでマイコンのプログラム開発ができ、特にスタンバイ機能を用いた間欠動作にも対応する。従来は1週間かかるところ、1日で試作と評価を実現する、手軽な開発環境の整備を進めている。

新製品はこの他にも、相補型PWM出力/強制遮断に対応するタイマ機能、ハードウェアの不正動作を検知・診断する安全機能、多チャネルのシリアル通信機能、フライバック制御に対応するタイマ機能、割込み信号を外部端子に直接出力するINTFOなど、民生・産業機器で役立つ多くの機能・特長を有している。

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