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血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功

血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功

ByMedtec Japan編集部

9月27日、東北大学サイバーサイエンスセンター先端情報技術研究部と同 革新的イノベーション研究機構は、遠隔・非接触的に人体の皮膚表面の血行状態をリアルタイムに動画像で表示できるモニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功したと発表した。

今回の開発は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のセンターオブイノベーション(COI)創出プログラム「さりげないセンシングと日常人間ドックで実現する理想自己と家族の絆が導くモチベーション向上社会創生拠点」の支援による。

健康状態チェックを目的に現在市販されているウェアラブル装置は接触式センサを用いるため、センサを常時身に付ける煩わしさがある。また、毎日意識して機器を操作する必要があるような健康管理法は習慣化しにくい。

このような課題に対して、本研究では毎日人々が洗面所や脱衣所で利用する鏡に着目。ビデオカメラとコンピュータを内蔵した鏡型ディスプレイの前に立つだけで、自律神経指標に基づいたその日の健康予報を使用者に直感的で分かりやすく表示するツールとして、「魔法の鏡」を実現することを目指している。

本研究グループではこれまで、脈波信号の計測によく利用される光電脈波計の代わりに、ビデオカメラで撮影した身体映像から、皮下の血液中のヘモグロビンが吸収する緑色信号に基づいて、脈波伝搬時間の推定を行う技術を開発し、これが血圧変動と正の相関をすることを明らかにしている。本研究では、この技術に基づいてのような鏡型ディスプレイを構築した。

まず、身体映像の領域をモザイク状の小領域に分割し、各領域の緑色信号のうち心拍周波数近傍の成分が強いものだけを対象として選択し、心拍変動に無相関な運動や周辺光変化による雑音成分をリアルタイムにキャンセルするアルゴリズムを開発。さらに、映像脈波情報から脈波伝搬時間あるいは血行状態を推定するために、身体の異なる2箇所の領域間の信号の位相差を抽出する。各モザイク領域を変遷する2次元的な血行パターンを、顔などの実映像に重畳して表示し、これを利用者が見ることにより、その変化と自分自身の体調の変化とを比較することができるようになる。

これにより、洗面所や鏡台などに取り付けた「魔法の鏡」では、毎朝身支度を整えたり化粧をしたりする際に、自分の顔に重畳する血行状態を観察することが可能になる。また、風呂場などの脱衣所に取り付けた「魔法の鏡」では、ビデオカメラを利用者の後方に取り付けることにより、普段は見えない利用者の肩や背中の血行状態が観察できるようになる。

仕様

  • 動作コンピュータ:Windowsマシン
  • ビデオカメラ:USB接続Webカメラ,コンピュータ内蔵カメラ,SONY製Playstation Eye

今後は、心拍数変動や脈波振幅変動などから得られる自律神経系指標を表示する予定。これと併せて身体の血行状態を毎日チェックすることで、自覚した体調の変化との関係を利用者自身で学習して行くことができ、その日の体調を予測するための手掛かりを把握できるようになると予想される。また、次のような応用が期待される。

  • インターネットを介した遠隔からの見守り用体調管理
  • 自動車内体調監視
  • アスリートの体調推定
  • テレビ視聴者の感情分析
  • デジタルサイネージの評価
  • ロボットによる応対者の体調・感情推定
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