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大阪大学とテルモ、「ハートシート」の共同開発で表彰

大阪大学とテルモ、「ハートシート」の共同開発で表彰

ByMedtec Japan編集部

8月26日、大阪大学とテルモは、世界初の心不全治療用再生医療等製品「ハートシート」の共同開発が産学官連携の進展に寄与した功績を評価され「産学官連携功労者表彰 厚生労働大臣賞」を受賞した。

ハートシートの共同開発は、基礎研究から臨床研究、さらには実用化までの一連の過程を産学官がイノベーション創出に向けて緊密に連携したこと、世界中で増加する重症心不全を治療する新たな選択肢として実用化されたこと、日本独自の早期承認制度を活用した先駆けとして再生医療実用化の促進に寄与したことなどが評価された。

産学官連携功労者表彰とは、科学技術イノベーションに係る産学官連携活動において大きな成果を収め、オープンイノベーションの観点から先導的な取組みを行う等当該活動の推進に多大な貢献をした産学官連携の優れた成功事例に関し、その功績を称えることにより、日本の産学官連携活動の更なる進展に寄与することを目的とするもの。表彰式は8月26日、東京ビッグサイトで行われた。

ハートシート概要と開発経緯

ハートシートは、虚血性心疾患による重症心不全の治療を目的とした製品。患者の大腿部から採取した筋肉組織に含まれる骨格筋芽細胞を培養してシート状に調製し、患者の心臓表面に移植して使用される。薬物治療や外科手術などの標準治療で効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療の新たな選択肢として期待されている。

【開発の経緯】

  • 2000年、大阪大学が心筋細胞シート・筋芽細胞シートの基礎研究を開始。
  • 2003年、大阪大学とテルモが筋芽細胞の共同研究を開始。
  • 2007年、大阪大学がFirst in Humanとして補助人工心臓装着下の心臓移植待機患者に筋芽細胞シートを移植し、人工心臓からの離脱に成功。臨床研究で50名の重症心不全患者に本治療を行い、心機能・臨床症状・生命予後改善を明らかにした。また、海外からの患者も受け入れ、国際的に展開。
  • 2012年、テルモが技術移転を受け、多施設企業治験を実施。2014年に製造販売承認申請。
  • 2015年9月、世界初の心筋再生治療製品として、ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート「ハートシート」が条件及び期限付き承認を受ける。
  • 2016年1月の公的医療保険適用、5月の販売開始を経て、8月に保険診療下での初めての移植が行われた。
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