MEDTEC Online

冷却シートを額に貼る感覚で睡眠の質を計測できるパッチ式脳波センサ

冷却シートを額に貼る感覚で睡眠の質を計測できるパッチ式脳波センサ

ByMedtec Japan編集部

大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授の研究室を中心とした医脳理工連携プロジェクトチームは、冷却シートを額に貼るような感覚で、容易に装着することができ、リアルタイムに脳状態を可視化できる、パッチ式脳波センサを開発した(関連記事)。

この度、谷池雅子教授(大阪大学大学院連合小児発達学研究科)、加藤隆史講師(大阪大学大学院歯学研究科)との共同研究により、この手のひらサイズのパッチ式脳波センサを額に貼り付けて睡眠を取るだけで、大型の医療機器と同じ計測精度で、睡眠中の脳波をワイヤレス計測できることが確認された。具体的には、深い睡眠の際に見られる2Hz以下の遅い脳波(徐波)も検出され、負担が少なく測定できる本センサの有効性が示された(1、2)。

1 パッチ式脳波センサを装着して脳波を計測
負担なく睡眠中の脳波が計測できることから、睡眠の質の評価が可能と期待されている
2 パッチ式脳波センサで取得した成人男性の睡眠脳波の一例
深い睡眠時に見られる2Hz以下の遅い波(徐波)を示している

本センサは睡眠中の脳波のみならず、電子体温計のように毎日の脳の活動を手軽に家庭内で計測でき、睡眠の質の測定ができる可能性があるだけでなく、毎日手軽に計ることで、認知症を含む脳関連疾病の早期発見につながることが期待される。

さらに脳の活動の計測を通して要介護者の見守りセンサ、運転者の急な不調に対応したクルマの自動運転/手動運転の切り替え、子供の集中力から好きな科目の同定、言葉の話せない赤ちゃんの好みのおむつ開発まで、広範な応用範囲が期待できる。

これらの実現により、新しい生体情報が社会生活に加わることになり、モノのインターネット(IoT)社会への転換期にある現代において、脳も“手軽に”インターネットにつながった意義は大きく、今後、大きな波及効果が期待されるという。

本研究は、脳マネジメントにより常に潜在力(個人の持つ最大能力)を発揮できる“スーパー日本人”の実現を目指す、大阪大学センター・オブ・イノベーション(COI)拠点のプロジェクトの一環として行われた(3)(関連記事)。

3 大阪大学COI拠点が目指す10年後の社会
カテゴリー: