不整脈を治療する操縦可能カテーテル

英国で開発された新しいカテーテル技術によって、心臓の特定部位に高周波エネルギーを届けることが可能になる。

ByKristopher Sturgis(オリジナルの英文記事はこちら

ロンドンのキングズ・カレッジCambridge Design Partnership(CDP)の研究者らは、不整脈に対する新しい治療法を開発した。

キングズ・カレッジの生体工学のKawal Rhode氏と、この研究プロジェクトのリーダーによると、新しい機器は心臓の特定の部位をターゲットにできるという点で従来のカテーテル技術とは一線を画している。

「このカテーテルはどの方向にも操縦できるという革新的な設計がされています」とRhode氏はいう。「現状の一方向にしか曲がらない多くのカテーテルとは異なり、操り人形のように多くのワイヤで引っ張ることで方向を変えます」。

Rhode氏によると、不整脈に対するインターベンション治療には複雑なカテーテルの動きが求められるため、正確にカテーテルの方向を変えられることは従来のカテーテルに比べて大きなメリットだという。医師に操作性の高い技術を提供できれば、患者には短時間で簡便な手術というベネフィットをもたらすことができる。

「不整脈のカテーテル治療では高周波加熱によって意図的に筋肉に熱損傷を与えるため、損傷を正確にコントロールすることが必須になります」とRhode氏。「予測通りにコントロールすることができるカテーテルは、これを確実に行うために非常に重要になります。また、これによって手術時間を短縮し、手術がX線画像によるガイドで行われるため、患者の被ばく量の減少につながります。さらに、このカテーテルはMRI機器と干渉しないため、完全に放射線フリーな環境で使用できます」。

Rhode氏がいうように、従来のカテーテルでは一方向にしか曲げることができないという制限がある。今年には、Cook Medical社のBeacon Tip Angiographicカテーテルが、先端が割れるというクレームを受けてリコールされるという出来事もあった。

このような問題に留意しながら、Rhode氏とCDPの研究者らは、より安定性を高め、操作性を改善できる、らせん状にチューブを結合させたカテーテルを設計した。彼らの設計はロボットによる操縦にも適合的で、重要な規制や生体適合性要件にも合うように改良が続けられている。さらに、微小な射出成形で組み立てられるため、自動組立による製造コストの削減も可能になる。

「現在プロトタイプを製作しただけですが、製造コストは現在製品化されている他のカテーテルと同等になるでしょう。コストの大部分は金型費です」とRhode氏は述べている。

Rhode氏によると、研究グループは将来的なヒトでの臨床試験に向けて十分なデータ集めを目指すという。

「次のステップはヒトでの研究のために準備をすることです。そのために必要な実験を行っており、前臨床環境での一連の試験に向けて準備しているところです」。

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