アボットの生体吸収性ステントがFDA承認

完全吸収性のステントは瘢痕予防薬を放出しながら3年後に分解する。

By: Nancy Crotti(オリジナルの英文記事はこちら

アボットはAbsorbの開発に約15年を費やした
(Image courtesy of Abbott Labs)

FDAはアボット・ラボラトリーズの完全吸収性ステントを承認した。ボストン・サイエンティフィックが同様のタイプのステントでFDAの承認を得てから1年以内での承認となった。

FDAの発表によると、アボットのAbsorb GT1 生体吸収性血管スキャフォールドシステムは、瘢痕組織の成長を制限する薬剤エベロリムスを放出し、約3年で体内に徐々に吸収される。

アボットは、同社のAbsorbは初めての完全吸収性ステントとしている。一方でボストン・サイエンティフィックは同社のSynergyステントの分解速度はより速く、約3カ月としている。アボットはAbsorbの開発に約15年費やし、多くの医師はAbsorbに関する臨床試験に注目してきた。このデバイスが、ステントを留置した心臓疾患患者の血栓や再狭窄といった合併症を解決すると期待されたからだ。

FDAの諮問委員会は、2008名の患者が参加しAbsorbと薬剤溶出性の金属ステントとの間で副作用の発生を比較したランダム化比較試験のデータを評価した。3月に同委員会は、いくつか安全性に関する留保はあるものの、Absorbのベネフィットがリスクをまさると結論づけた。2015年の臨床試験ではAbsorbはアボットの既存ステントXienceに対する「非劣性」が示されていた。

臨床試験でAbsorbは、死亡、心臓発作、再ステント術の必要性を予防するという観点ではXienceより若干劣っていた。このようなイベントの発生率はAbsorb群で7.8%、対照群で6.1%、デバイス内の血栓の発生率はAbsorb群で1.54%、Xience群で0.74%だった。

これまでステントは金属製だったが、Absorbは分解性縫合糸と同じく自然に分解する素材であるpoly(L-lactide)でできている。金属性のステントは恒久的に患者の血管に留まり、血管の動きを制限する。瘢痕組織はステント内に形成され血管の再狭窄につながると考えられており、薬剤溶出性ステントは、ステント留置後数カ月間に薬剤を放出し、瘢痕組織の形成を予防する。

FDAによると、完全吸収性ステントは分解後に4つのプラチナのマーカーを血管の壁に残すため、医師は元々どこにステントがあったのかがわかるようになっている。

「金属製でないということは、血管が日常生活の心拍の変動に合わせて自然に拍動し収縮できるということを意味します」と医師のGregg Stone氏(コロンビア大学医療センター/ニューヨーク長老派教会病院)はアボットによる発表で述べている。「また、金属製でないということは、金属製ステントでは起こりうる将来の狭窄の可能性を減らし、必要になれば他の治療選択肢を用いられることにつながります」。

Stone氏はAbsorbの臨床試験を主導している。アボット・ラボラトリーズはAbsorbをカリフォルニア州のサンタクララ工場で開発し、臨床試験に参加したインターベンション治療センターから全米の病院に展開する予定だ。

FDAは、2016年の第4四半期というRBC Capitalのアナリストの予想を上回るスピードでAbsorbを承認した。

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