メドトロニック、11億ドルでHeartWareを買収

2015年のCovidien以来の大きな買収によってメドトロニックはLVAD(左心補助人工心臓)を中心とする循環器ラインナップの拡大を目指す。

By: Nancy Crotti(オリジナルの英文記事はこちら

より多くの心不全患者に治療を届けるべく、メドトロニックはLVADメーカーであるHeartWare Internationalと11億ドルでの買収に合意した。

メドトロニックは、HeartWareの6月24日の終値の株価29.98ドルのほぼ倍額の1株当たり58ドルを支払うことになる。週明け6月27日にはHeartWareの株価は57.49ドルと約92%値上がりし、メドトロニックの株価は少し下がり81.86ドルとなった。

メドトロニックの発表によると、買収は10月28日をもって完了予定。

この買収によってメドトロニックは、2015年に同じくLVADメーカーのThoratec社と同社のHeartMate Ⅲを33億ドルで買収したセント・ジュード・メディカルと、最小侵襲の補助人工心臓市場で肩を並べることになる。HeartMate Ⅲは2015年10月にCEマークを取得、それ以前にはFDAから次世代機器としてピボタル試験の拡大を認められている。

メドトロニックによると、HeartWareは末期の心不全患者に対する非侵襲機器の開発に関して「複数の技術」を有しているという。同社は世界の補助人工心臓市場を約8億ドルと推計しており、今後2年程度で数千万ドル成長すると予測している。

HeartWareの事業はメドトロニックの心調律・心不全(Cardiac and Heart Failure)部門に組み込まれる。メドトロニックでは2017年度の売上と利益予想は変わらず、3年のうちに買収した事業が利益をもたらすとしている。

「HeartWareのチームは病院顧客とよい関係を築いており、市場で強い地位と好評価を確立しています」とメドトロニックの心血管グループのプレジデントであるMike Coyle氏はいう。「この取引が完了すれば、心不全全般にかかわる患者のニーズを解決する一連のソリューションをメドトロニックが提供するために重要なステップとなるでしょう」。

HeartWareのMVADは同社のHVADポンプの3分の1のサイズ(Image courtesy of HeartWare)

メドトロニックはHeartWareが次世代の人工心臓であるMVADの開発を中止するという今年1月のニュース日本語版に困惑したに違いない。HeartWareは2015年10月にCEマーク取得のためのMVADの臨床試験を中止している。CEOのDoug Godshall氏によると、同社は、人工心臓全般にとって致命的な問題であるポンプ内血栓の「可能性を増すようなアルゴリズム」を発見したという。MaeketWatchによるとHeartWareの株価は年間累計で41%下落している。

心不全は依然として、米国で最も多い入院と死亡の原因であり、500万人以上が罹患している。メドトロニックでは2030年までに患者は800万人を超えると推計している。また、米国において心不全に関する支出は年間約390億ドルに達するという。

メドトロニックでは2015年の500億ドルでのCovidien買収以来、大型の買収が続いた。今年初めには血液透析のパイオニアであるイタリアのBellco社(株式非公開)を買収する計画を明らかにしている。

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