マグネットを利用して小腸にバイパスを作る糖尿病治療機器

GI Windows社の新しい技術で、内視鏡で小腸まで運ばれ、小腸内で自ら結合し、吻合を形成した後に体外に排出されるマグネット機器が開発された。

By: Arundhati Parmar(オリジナルの英文記事はこちら


GI Windows Animation from Jared Kornblatt on Vimeo.)

既に多くの糖尿病治療薬があるが、2型糖尿病という非常にコストのかかる病気を管理するために医療機器からアプローチするスタートアップは多い。

患者のよりよい血糖コントロールをもたらすために、十二指腸の一部を焼灼する内視鏡による治療を試みているのはFractyl Laboratories社(マサチューセッツ州、ウォルサム)である。

Fractyl Laboratoriesと同様に、内視鏡を応用して肥満手術の抗糖尿病効果を利用しようとする会社がもう1社現れた。

GI Windows社(マサチューセッツ州、ウェスト・ブリッジウォーター)は5月にサンディエゴで開催されたDigestive Disease Weekで自ら結合するマグネット機器を発表し、6カ月間でHbA1cと空腹時血糖値を有意に低下させることを示した。

どのような仕組みでこのマグネット機器が機能するのだろうか?

軟性内視鏡によって2経路から腸内に入り、それによってマグネット機器を設置する。2つのマグネット機器が小腸内で結合し、「直線の形状から8角形に変化し、結合することで2つの腸管がつながる吻合を形成する」(ニュースリリース)。このマグネット機器は、その他に物質や材料を残すことなく体外に自然に排出される。

試験に登録されたのは平均BMIが41の10名の肥満患者で、治療後2週間は液状あるいは軟性食に制限された。2週間後に「吻合開通」、つまり開通度を確かめるためのX線撮影、2カ月後と6カ月後に吻合の状態を確かめるために内視鏡検査を受けた。

6カ月後の結果は以下の通り:前糖尿病段階にあった患者のHbA1cは平均6.1%から5.25%、空腹時血糖値は119 mg/dLから105 mg/dLに低下した。2型糖尿病患者のHbA1cは平均7.8%から6.0%、空腹時血糖値は177 mg/dLから111 mg/dLに低下した。すべての患者の空腹時血糖値は、6カ月間で糖尿病もしくは前糖尿病レベルから通常レベルになった。すべての患者の体重は平均で約29ポンド(12.9 kg)、10.6%低下した。

この有力な結果は、肥満のある2型糖尿病患者に対して、この治療法(Incision-less Anastomosis System:IAS)のさらなる臨床試験を行う根拠を与えるものだ。

「この6カ月の試験の結果は有望で、外科手術で証明されている作用機序に基づくIASが、肥満のある2型糖尿病患者に対して、HbA1cと空腹時血糖値、体重を大きく低下させる可能性があることが示されました」と、試験に参加したチェコ共和国Ostrava大学病院のEvzen Machytka医師はニュースリリースで述べている。「この結果はIASのさらなる臨床試験を行う根拠になります」。

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