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米国における遠隔医療市場の状況

米国における遠隔医療市場の状況

Apple、Google、フィリップス、Withingsといった様々な企業が旋風を巻き起こしている一方、従来の通信会社は取り残されている。

By: Nancy Crotti(オリジナルの英文記事はこちら

世界の遠隔医療(telemedicine)市場は144億ドルと推計されたが、調査会社(MordorIntelligence)によると2020年までには340億ドルに達すると予想されている。数年前にこの市場の攻略を計画していた大企業はどこにいるだろう?

フィリップスは、血糖値モニターに接続できタブレットにデータを送ったり、医療従事者にインターネット経由でデータを送ることのできるシステムを展示(Image by senior editor Chris Newmarker

AppleやGoogleが遠隔医療で注目される一方で、Amwell社やDoctor on Demand社のようなスタートアップが5月にミネアポリスで開催された米国遠隔医療協会(ATA)で注目を集めた。

本会で存在感を示した企業には、フィリップスやメドトロニック、Welch Allyn社、フランスのWithings(最近ノキアに買収された)が含まれる。

Withingsのワイヤレス血圧計は簡単にiOSやアンドロイド機器に接続でき、医療機関とデータを共有できる(下動画)。

本会に通信大手のAT&Tは出展していたが、同じく通信大手のVerizonの姿はなかった。Bloomberg紙は両社とも以前の約束を果たしていないと報じている。

ATAは遠隔医療を「患者の状態を改善するために電気的な通信手段を使ってある場所からある場所へと伝送される医療情報を用いること」と定義している。ATAによれば、遠隔医療には、双方向ビデオ、Eメール、スマートフォン、ワイヤレス機器、その他の遠隔通信技術を用いるアプリやサービスが含まれる。

Googleの共同創業者は一時ヘルスケアへの方向性を軽視していたが、2015年末にはグループのヘルスケア部門としてVerily社を立ち上げた。さらに、スマート・コンタクトレンズや手術ロボット、レーザー焼灼術などの開発に乗り出している。

メドトロニックのCEOであるOmar Ishrak氏はGoogleをおそれていないというが、Appleはどうか?最近公表された特許申請書類では、ユーザーの体温、心拍、酸素レベル、血圧の不規則さを検知して音を発する医療用モニターを開発するAppleによる計画が明らかになった。3月には、Appleは患者が自分で状態を管理できるようにするアプリの開発を支援する枠組をスタートすると発表している。

2009年に、VerizonとAT&Tは遠隔医療に大きな進歩があると約束した。両社は病院のために健康データと医療記録の電子データの管理によって利益を得たが、「病院に入り込み、医療提供者の立場に立って時間と資金を投資するようなことをしなかった」と、マサチューセッツ総合病院の遠隔医療ディレクターのLee Schwamm氏はBloomberg紙に語っている。「遠隔医療は彼らにとって常に副業だったのです」。

保険システムが高齢者にとって利便性の高い遠隔医療を採用すれば、遠隔医療は依然として成長産業となる。

少なくともAT&Tには達成したものがあるように見える。というのも、2009年にAT&Tは、患者がつまづいたり転倒したりすると医療従事者に無線で警告を送るスマート・スリッパを開発しているからだ。その2年後には、患者が薬を服用すると点滅する光とチャイムで知らせるワイヤレス通信可能な薬瓶のフタを開発している。さらに2014年には、医療機器業界で認知度を高めるためにモバイル・ヘルスの先駆者であるEric Topol医師を採用している。

Verizonでは、2014年にVirtual Visits遠隔医療パッケージを導入したが1年以内に休止してしまった。

「Verizonがこの分野でトップになろうと考えていたとすれば、それは失敗しましたね」とSchwamm氏は語っている。

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