EMCなど安全性・品質評価から開発支援を:OKIエンジニアリング

By: Medtec Japan 編集部

施設外観(奥が第二EMCセンター)

電気・電子機器を製造販売するためには、機器から発生するノイズと、機器が周囲のノイズから受ける影響を評価するEMC(電磁的両立性)評価が義務づけられている。医療用電子機器のEMCには国際規格であるIEC 60601-1-2が設けられており、それに基づいた評価が求められる。現在、国内規格が古い版のIEC 60601-1-2とほぼ同じ内容となっており、今後新しい版への対応が求められることなどから、EMC試験のニーズは高まっている。

EMCや製品安全試験、環境試験などを提供し、信頼性向上と環境保全に貢献するものづくりを支援するOKIエンジニアリング(本社:練馬区、以下OEG)では、3月にEMC事業の拡大のため埼玉県本庄市に第二EMCセンターを新設した(関連記事)。新設された第二EMCセンターで同社の取り組みを取材した。

EMC第二センター。建屋の入り口から試験室まで大きな機器でも段差なく試験室に運べるバリアフリー構造

 充実の設備で高品質のEMC試験を提供

OEGのEMCセンターはISO/IEC 17025の認証を受けたEMC試験所として、試験をクリアした機器に認証済のレポートを提供する。規格によって細やかな対応が可能で、プライベート規格への対応やコスト対策も含め、試験計画を提供した上で顧客と相談して進めている。電磁ノイズを可視化する装置の提供、規格をクリアできない場合の対策の支援にも応じる。実績があるのは車載機器、医療機器、産業用機器、その他(鉄道関連など)。

近年、試験の依頼が増加し、顧客を待たせてしまう状況もあったことから、従来のEMCセンターとほぼ同規模の第二EMCセンターを新設した。

国内では2017年4月1日以降に製造販売される医療機器については、新たな版のEMC規格(IEC 60601-1-2第2版)に基づいた試験が要求され、国際的には最新版の規格(IEC 60601-1-2第4版)への対応が順次求められていく。このような状況からも医療機器分野でのニーズは高まっている。

IEC 60601-1-2では製品ごとに評価基準が定められている。OEGでは対応製品も徐々に増やしており、この分野でのニーズ拡大に対応していく。

また、IEC 60601-1-2第4版では、使用環境ごとに電磁耐性が要求され、例えば救急車内でのエンジン始動時のノイズ対策などが含まれるようになる。

車載機器のEMC試験では、規格以上にメーカー間で高信頼性が競われている状況がある。車載機器向けなどで特殊な試験を提供してきたOEGの経験を生かせるメリットもあるという。

写真左:10m法電波暗室内部。直径5m、3mのターンテーブルを備える。写真中央地下ピット。評価の対象とならない機器をここで使用する。給排水ユニットを設けており、歯科機器など水と一緒に使用する機器の評価ができる。写真右:コントロールルーム。ノイズのリアルタイムモニター、録画装置を備える

プリチェックを実施して無駄のない製品安全試験を

製品安全試験については、規格要求に基づいた試験から、顧客に応じた評価試験、技術支援を行っている。

製品安全の通則であるIEC 60601-1には300以上のチェック項目がある。一般的な危険要因である、感電、熱、放射線、エネルギーによる危険、火災、化学的危険、機械的危険のほかに、医療用電気機器については「患者への危険」が加わっている。

試験サービスは、(1)プリチェック、(2)電気的試験、(3)構造的試験、(4)報告書作成のプロセスで行う。線材の色の指定やマニュアルへの記載など非常に細かな規定がある。手戻りを防止するためにも、OEGでは設計・試作段階での構造チェックやパーツ類の確認などを行うプリチェックからの利用を提案している。

国内では2017年5月からIEC 60601-1第3版への対応が必須となる。第3版ではリスクマネジメントの項目が追加されており、プリチェックの段階でもその点での相談が増えているという。OEGではそのような顧客に対して技術支援も行っている。

大型機器にも対応する環境試験

大型の恒温恒湿室

OEGでは、温度、湿度、光、水、ほこり、振動などの製品が受ける周囲の環境からの影響を試験する環境試験も提供している。本庄地区にある北関東試験センターには多様な試験設備を揃えているほか、歯科用ユニットが入る恒温恒湿室など大型の設備がある点が特長だ。

例えば、医療用電子機器では電動車いすの制御器の耐久性試験、樹脂系部品については、アルコールや汗との接触といった使用環境下で発火や膨張、ひび割れの試験、蒸気滅菌やガス(二酸化硫黄等)の影響による腐食の試験を行っている。

また、近年使用が増えているLEDの光学特性などの影響を調べる試験も提供している。

ものづくりのワンストップサービスを

OKIグループでは、OEGがその1プロセスを担う、設計からアフターサービスに至るワンストップサービスを提供しており、医療機器でも受託開発の実績は多い。

OEGが担う安全性や品質評価のプロセスが設計・構想段階から連携するメリットは大きい。開発の早い段階で、規格や試験を見越して問題点を指摘でき、対応をアドバイスすることで結果的に効率的な開発につながるからだ。

今後OEGでは、新規参入メーカー向けのアドバイスも積極的に行い、経験と技術力を生かして医療機器開発の支援を拡大していく考え。

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