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コネクティッド・デバイスを開発する際に考慮すべき3つの要因

コネクティッド・デバイスを開発する際に考慮すべき3つの要因

ウェアラブルのヘルスケア関連技術の需要は増しているが、コネクティッド医療機器を開発する際には以下の3つを考慮すべきである。

By: Bill Betten(編集部注:本記事は米国の状況に基づいて執筆されています。オリジナルの英文記事はこちら

腕時計からペンダント、クリップに至るまでウェアラブル技術に大きな注目が集まってきた。これまでのところ、FitbitのアプリがAppleのappストアでナンバー1のダウンロード数となっており、ハードウェアの高い売上も推測されている。RBC Capital Marketsによると、Fitbitは480万台の機器を販売し22%のマーケットシェアを得ている。また最近、ウェアラブルの活動計メーカーであるMisfit Wearable社が腕時計メーカーのFossilグループに2億6千万ドルで買収されており、この分野の活発さが示されている。

しかし、現在Fitbitは、特にバイタルサインの1つである心拍数モニタリングにおける機器の正確性に関して、集団訴訟に直面している。ヘルス・ウェルネス機器の売上が急速に伸びてきたが、この成長は圧倒的に一般消費者(コンシューマー)部門であり、規制を受ける医療機器部門ではない。

下記に、コネクティッド機器を開発する際にカギとなる考慮事項を解説する。

規制

医療機器と一般消費者向け機器を区別する重要な要因の1つは、前者は米国ではFDAの管轄内になるという点だ。最近のウェアラブル機器の進化が規制の境界線に近づいてきているのは明らかで、機器の使用目的をメーカーがどのように示すかにかかっている。2015年のFDAのガイダンスでは、現在利用可能な一般消費者向けの機器の大部分をカバーするこれらの機器が、有害ではなく、概して健康な習慣を奨励するものであれば、当局は積極的には規制を行わないとされている。これまでFDAが認可した数少ないウェアラブル(あるいは、少なくとも携帯可能)機器は、臨床的な行動を可能にする、あるいはある程度の臨床的な意思決定を支援する、心臓モニターや血糖値モニターのような機器に集中する傾向がある。

最近、“RBC Capital Markets Consumer Health & Information Technology Survey”では、ウェアラブル技術への関心度について1,500名の一般消費者の調査を行った。ユーザーがヘルス・ウェルネス用途を超えた応用の可能性を追求するにつれて、規制面での承認の必要性が、それに伴う条件とともに課題になる。

検証

医療用途で有用であるためには、機器の精度と有効性が測定されなくてはならない。そのために検証という第2の問題が出てくる。機器の使用によって何を期待するかは、メーカーによって設定され、ユーザーには明確に示されなくてはならない。医療機器メーカーは、機器への要求に関連する性能の課題に取り組んでおり、それには必要であれば臨床試験が含まれる。

機器に要求される検証のレベルは、メーカーによって設定される特定の事項や既存の機器が存在するかにかかっている。臨床試験は安全性と有効性を実証するために行われ、その機器が害なく安全に使用できるとわかったとしても、実際に意図される用途で使用できることにはならない。臨床試験は、その機器が、モニターされる条件で一般的に許容される精度と耐用度の範囲内で、メーカーが要求する目的で使用できることを示すために行われる。

例えば、古典的なフォームファクタのために手首装着型の機器は一般的だが、手首の生理学的条件や皮膚の状態、さらには手首に対する機械的な接触状態から生まれる動作上のアーチファクトがあるため、医学的に意味のある結果を引き出すことは難しい。このことが、腕時計型の機器の多くが一般消費者向けに留まっている理由である。医療機器として規制された製品として販売するためには、様々な条件の組み合わせで検証を行うことで、上記のような課題を解決しなければならない。そしてこの検証は長期間、複雑でコストのかかるプロセスである。

標準と相互運用性

医療機器と一般消費者向けウェルネス機器が異なるといっても、両者を組み合わせた機器が有用でないとはいえない。このように考えると、相互運用性という第3のポイントにつながる。相互運用性とは、顧客が特に何をしなくてもある製品が他の製品と連動できる能力をあらわす。相互運用性を達成するには、公開された標準インターフェースを遵守するか、1つの製品データを他の製品データに変換するサービスの「ブローカー」を利用するか、2つのアプローチが存在する。

例えば、活動計それ自体は臨床的に意味のある情報を提供しないが、心拍計やパルスオキシメータと組み合わせることで、なぜ心拍数が上がったのか、なぜ酸素レベルが低いのかといった疑問へのヒントを提供する。しかし、このような情報の融合が起こるようにするには、機器同士が通信を行う必要がある。

規格は存在するが、医療業界内でもその採用は遅いし断片的である。1990年代に医用画像は、隔離されたフィルム室から、DICOM規格やネットワークとディスプレイに関連する技術の進歩を通じて、世界中で画像を送ることができるネットワーク能力に進歩した。

今日では、承認されたアプリを用いることで、画像は携帯電話のようなポータブル機器でも表示することができる。Continuaのような組織は、高齢者や慢性病患者に用いることのできる比較的高価でないシステムを広げるためBluetooth LE(low energy)のような一般消費者向け技術を使って、パルスオキシメータ、体重計、血圧計のような機器の相互運用性を確立するために取り組んできた。

また、HL7は医療用電子情報の交換と統合のための組織だ。それぞれの分野において、これらの組織の活動は医療分野での相互運用性の推進を続けてきたが、10年を超える活動にもかかわらず、達成できたのは極めて一部にすぎない。この分野に多くの一般消費者向け機器を加えることは、ビッグデータへの情報統合をさらに複雑化するだけだろう。

スイスの調査会社であるSorenは、ヘルスケアのウェアラブル機器だけで400億ドルを超える市場規模になると予想している。手首装着型か、個別素子か、衣服に縫い込むものか、体内植込み型かにかかわらず、このうちのどれほどの金額がウェアラブル技術にもたらされるかは今後興味深い。また、どれほどの金額が一般消費者向け機器、あるいは医療機器に使用されるかは、部分的にどのように機器を設計するかと、ユーザーにどのような追加の価値をもたすかによって決まるだろう。

■ 著者紹介:医療機器設計・開発を行うDevicix社ビジネスソリューションズ部門ディレクター。

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