ルネサス、Medtecでヘルスケアソリューションを展示

By: Medtec Japan編集部

“Medtec Japan 2016”では、半導体大手のルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:江東区)が初出展となった。出展のねらいや展示するソリューションについてブースで話を聞いた。

以前から血糖値計や血圧計にLSIを供給してきたように、同社はヘルスケア機器に向けたビジネスの実績を有してはいるが、大きな割合を占めてきた3本柱は自動車、産業用機械、家電であり、全売上高に占めるヘルスケア機器向けビジネスの売上高は1~2%程度に留まっていた。

今回ヘルスケア分野への進出を決めた背景には、「予防医療」分野でのニーズ拡大への期待があるという。

日本では、高齢者の介護福祉や慢性疾患の治療への支出が財政上も保険上も大きな負担となっており、高齢化する前、慢性疾患に進行する前の時点(予防・未病の時点)へ医療の重点を移行することが政策として奨励され、予防医療につながる技術が注目されるようになってきている。

同社が着目するのは、予防医療と家庭の結びつきだ。「ホーム&ヘルスケア」を提唱し、半導体メーカーとして家電分野で培ってきた技術を中心に新しいソリューションを提案していく。

また、キーワードとして「見守り(介護)」、「健康管理」、「快適」、「省エネ」を掲げる。ルネサスの強みは、ヘルスケア機器にとって有利となる「低消費電力」と、アナログ信号をデジタル信号に高精度に変換するAFE技術をはじめとする「正確性」だという。これらを通じて、上記キーワードを実現するソリューションを提案していく。

そして、今回の展示で力を入れているのは、無線通信、近接センサ、ワイヤレス給電の3つの技術である。これらを組み合わせれば、機器のデザイン自由度が向上するだけでなく、機器に接続するケーブルや稼動部分がなくなるため、丸洗いできる機器に変革できるのではないかという。

第1に、通信技術として、医療機器向けの国際規格であるContinua設計ガイドラインを活用する。低消費電力の特長を生かしてヘルスケア機器などを接続可能。 脈拍計デモ機では、独自の体動補正アルゴリズムにより、運動中でも精度よく脈拍を測定できる(左写真)。

第2に、近接センサ・ソリューションとして、非接触で手をかざすだけで検知可能なタッチデバイスを紹介。 流水や水の中でも操作可能なソリューションとして展示(下写真)。手術中など機器に触れずにスイッチをオン・オフしたい場合や、液体で処置中にオン・オフが必要な場合を想定している。

第3に、充電用ケーブルを接続しなくても電力送電機に近づけることで充電が可能なワイヤレス給電技術を展示(右写真)。 ウェアラブルなヘルスケア機器や医療機器を実現するにあたり、電池の小型化に加えて、簡単に充電できる仕掛けが望まれる。 小さな電池を充電する場合に特化してワイヤレス給電も小型化することで機器への埋め込みを容易にしている。

これらの3つの基盤技術を組み合わせることで、完全防水型の補聴器などのような革新的なウェアラブルヘルスケア(医療)機器を開発可能だ。

同社では、医療機器やヘルスケア機器メーカーだけでなく、同社も想定していない顧客との協業の可能性があると考えており、異業種・異業界の新しいパートナーとの出会いに期待している。

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