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世界最小クラス心電計の開発に「短納期射出成形」を活用

世界最小クラス心電計の開発に「短納期射出成形」を活用

By: Medtec Japan 編集部

最先端の技術をどのようにスピーディかつ効率的に製品化するかは、特化した技術を生かしてコンパクトな開発を目指すスタートアップや新規参入企業には大きな課題となる。今回は株式会社GM3(本社:千代田区)による世界最小クラスのワイヤレス心電計の開発事例から考察する。

世界最小クラスのサイズで心電計を開発

GM3は2009年に創業し、最先端の小型・高速・低消費電力の医療用、産業用電子装置、センサー、部品の開発を行っている。特許取得済の小型、省電力センサー技術など、汎用技術に頼ることなく独自開発ができる技術力を売りに、自社製品開発だけでなくOEM、ODMといった受託開発にも対応するプロ集団だ。

株式会社GM3のRF-ECG2 EK

同社の「RF-ECG2 EK」(写真)は心電図と3軸加速度、温度を計測可能なワイヤレス生体センサーで、幅40×長さ35×厚み7.2mmという世界最小クラス、手の平にすっぽり収まるサイズがこれまでにない最大の特長である。

連続使用時間は、心電図と3軸加速度センサーの両方を計測した場合で約48時間、心電図のみの場合で約120時間を実現した。無線通信には、当初Bluetoothなどを採用する予定だったが、より省電力化するため独自開発の2.4GHz帯のプロトコルを使用。通信可能距離はおよそ10~20mであり、専用のUSB受信機を搭載したPCにデータを送信する。

近年、慢性疾患の治療や管理としてだけでなく、健康増進や病気の発症・進行を防ぐ予防医療の観点からも、日々の生体情報モニタリングが重視されている。さらに、健診などビッグデータを活用しより効果的な健康管理や生活指導を行う「データヘルス」の概念も注目を集めている。

小型化し、省電力化することで利便性を向上させた生体情報センサーは、まさに今後の医療ニーズに応えるためにカギとなる技術だ。

迅速な見積りシステムのフィードバックを活用して機構の改良も

株式会社GM3 取締役
小野聖士 氏

同社では「RF-ECG2 EK」の筐体の設計・製造でプロトラブズの短納期射出成形を利用。同社の取締役 小野聖士氏(写真)によると、従来の製造プロセスでは、図面を金型業者に渡して、しばらくして見積りをもらうという流れで、その途中で密なコミュニケーションを持てないという不満があったという。「プロトラブズでは、サポートの技術者の方とじっくりコミュニケーションができます。単に見積りがあるだけでなく、どこをどう直せば、具体的にいくらコストが削減できるのか、などが手に取るようにわかります」(小野氏)。

「さらには、見積りの3Dイメージを合わせてみることで発想が生まれ、ボタン電池を収める部分の機構の改良にもつながりました」と、小野氏は、意義ある設計へのフィードバックが成果につながったとプロトラブズの見積りシステムを評価している。

受託開発で求められるスピードに短納期射出成形で対応

医療用にかかわらず、小型・高速・低消費電力の電子装置、センサー、部品の設計・開発のプロである同社では、自社開発よりむしろ受託開発をメインのビジネスとしている。実際「RF-ECG2 EK」も医療機器としてではなく、医療機器メーカー向けに最終製品の評価のためのツールキットとして提供している。

受託開発では、受託元からの要求に対応することになるが、特に短納期を求められることが多いという。筐体の設計や製造に関することでも超短納期が求められることがあるため、同社では図面でのやり取りや外部デザイナーへの委託ではなく、社内に3D CADを導入し社内で3Dデータを活用することも多くなってきている。

小野氏によると、このような状況ではプロトラブズの短納期射出成形のメリットは大きい。「プロトラブズでは、射出成形品が標準でも10日、追加料金を払えばさらに早く作れるだけではなく、見積りも3時間程度で入手することができます」(小野氏)。設計変更も容易に行うことができ、試しながら改良することもできるので、従来1カ月以上かかっていた納期が半分以下に短縮されたという。

特殊な技術力を小ロットで実現する短納期射出成形

医療機器分野では、同社のように画期的なサービスを活用して革新的な機器を開発しようという機運が高まっている。特に医療機器メーカーとの連携で受託開発から参入するというチャネルにはチャンスが大きい。

医療用途で特殊な技術を製品化するとなると、産業用や民生用の機器と比べ、年間数百台~数千台と量産規模が小さいのが特徴だ。従来の金型成形では、イニシャルコストが大きくなるため、この規模の量産ではコスト的に難しくなる。プロトラブズの短納期射出成形では、数百単位の製造でもコスト的に十分に見合う開発が可能だ。

今後、小ロットを特徴とし、スピードが求められる医療機器関連のものづくりに短納期射出成形のようなサービスが浸透していくことが期待される。

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