2016/03/31
By: Medtec Japan 編集部
在宅酸素療法で使用される呼吸同調器はこれまで、ボンベバッグやカートに収められて使用されてきたため、設定変更がしにくい、アラーム音が鳴って周囲の人に気づかれる等の課題があった。患者の立場に立ってこの問題を解決するのが、新しい呼吸同調器「IVY(アイビー)」である。
(以下は応募資料より抜粋)
【製品の特長】
新型呼吸同調器であるアイビーは、スマホサイズを目指し、ウェアラブルな医療機器として開発された。小型化・軽量化を突き詰めてポケットに入れても違和感がない重さにし、手元操作を可能にした。さらにアラームの前半はマナーモード仕様となっているため、周りに気づかれず、本人だけが警報をキャッチできる仕組みになっている。
基本性能もこれまでの呼吸同調器以上となっており、感度や電池寿命など業界トップクラスを実現している。
【開発の背景】
在宅酸素療法を受ける多くの患者から意見を聞き、ボンベが重くなり手軽に流量設定できない、呼吸を検知しない場合のアラーム音が公共の場で鳴るのが苦痛といった課題があり、患者の行動範囲を広げるための呼吸同調器が、実は患者の行動を制限していたことがわかった。
これらの課題を解決するため、究極的なサイズダウンを図り、埼玉県産業技術総合センターの協力で30回以上の試作を繰り返し、操作性に優れた形状を生み出すことに成功。また、スマートフォンのマナーモードにヒントを得て、アラームの前半をマナーモードとする仕様を採用した。
【会社概要】
医療機器の研究開発及び製造販売を業として、埼玉県産業技術総合センターで2014年に創業。同年、医療機器製造販売業及び医療機器製造業の業許可を取得し、在宅酸素療法に関わる医療機器の研究開発(受託研究を含む)を進めている。「IVY(アイビー)」が同社の初製品となる。
「企業利益のために患者の意見を聞く」のではなく、「患者の便益を追求した医療機器を研究開発し、結果としてビジネスが成立すればよい」というポリシーで研究開発を行っている。