日本型オープンイノベーションを支援するビジネスパートナー探索システム

By: Medtec Japan 編集部

「オープンイノベーション」という概念が世界的に注目されて10年ほどになる。「オープンイノベーション」とは、企業が社内に知的・技術資源や人材を囲い込んで「クローズド」に開発を行うのではなく、情報発信と外部委託を進め、他企業や研究機関などと積極的に連携することで、資源の公開性や流動性を高め、迅速でイノベーティブな開発を促進しようというもの。

日本でも産学連携による炭素繊維開発が嚆矢となり徐々に浸透してきた。一方で、日本には互いに情報を少しずつ開示し歩み寄りながら連携を行う「すり合わせ型」の風土があり、欧米の「オープンイノベーション」が今後根づいていけるかは疑問もある。企業間の連携では、技術シーズはもちろん、ニーズを開示することにも慎重な傾向もある。

このような日本の企業風土に合わせて、ボトルネックとなっている情報開示の課題を解決するのが、リンカーズのビジネスマッチングだ。

同社が活用するのは全国で地域の産業支援に携わる行政や業界団体などのコーディネーターが持つネットワーク。大手メーカーなどから技術をもった企業を探してほしいという依頼を受け、それを秘密保持契約を締結した上で各地域のコーディネーターに打診。コーディネーターが候補企業を挙げることでマッチングにつなげる(上図:コーディネーターのネットワーク、下図:マッチングシステム画面)。

このシステムの要点は、マッチングを依頼した企業が探している技術、探しているという事実を秘匿できるだけでなく、マッチングされる側の企業の公開していない技術をコーディネーターが知っているという点。

これにより、技術を探す側(ニーズ側)、技術を提供する側(シーズ側)の双方が情報をコントロールしたままマッチングが可能になる。

これまでのマッチング事業開始から2年間で200案件以上、マッチング成功率90%以上、リピート率70%以上を達成。業界も電気・機械、化学・素材からエンターテイメントまで多岐にわたる。

例えば、ダンボール防音室の開発では、従来品より手軽に利用できる防音室の開発を企画したバンダイナムコグループより発注を受け、段ボール加工と防音技術を持った企業を探索した。福島県産業支援センターのコーディネーターから福島県の企業が候補にあがりマッチングが成立。個人用ダンボール防音室の製品化につながり、福島の工場拡張や雇用創出といった地域活性効果も生まれた。

医療関連では、医療分野参入を目指していた大手化学メーカーによる依頼で、既に医療機器開発で実績を多数保有していた樹脂成型サプライヤーを探索したことや、補聴器メーカーの新製品のための技術探索に成功した実績もある。

同社では医療機器や製薬分野の市場の成長に注目しており、MEDTEC出展をきっかけに、医療分野での日本発イノベーションへの貢献を目指す。

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