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ますます厳格化するFDA査察を教育訓練ICTで支援(2)

ますます厳格化するFDA査察を教育訓練ICTで支援(2)

FDA指摘事例とICT化による対応

──教育訓練管理についてFDAからの要求が厳格化していることに対して、教育訓練のICT化によってどのように対応できるでしょうか?

新井 実際の指摘事例をあげて、それに対するICT化による対応を具体的に見てみましょう。

指摘事例1最新のSOPを学習したという事実を教育訓練記録で証明できない。どの版を見て学習したのか証拠化されていない。

教材と教育訓練記録の明確な紐付けを求められています。またSOP種類が多くなったり、複数要員を分割して教育したりすると教育記録管理コストがかかります。ICT化により教材と、いつ・誰が・教育を受けたかという実施記録との紐付け関係を管理し、抜け漏れを事前に確認したりして、査察リスク低減につなげます。

指摘事例2SOPの自己学習だけでは、理解はしているかもしれないが、実践できるかわからない。SOPを読むだけの学習形式では十分ではない

「集合教育」「eラーニング」「通信教育」などを組み合わせる「ブレンディング教育」(図3という方法があります。多様な教育機会を組み合わせることにより教育の質の向上が見込めることと、講師・学習者両者の負担軽減とコスト削減が期待されています。ICT化によって多様な教育機会を統合して管理できます。

図3 ブレンディング教育例

指摘事例3研修後にアンケートを取っているが、無記名方式では記録とはならない。また、アンケートは自己評価方式であり、その研修を理解し、実践できるという適格性の評価が客観的ではない

ICT化によって研修単位でテスト実施、結果評価などを管理でき、管理者による項目単位での正解率分析などが容易で客観的に実施可能です。この結果に基づき、フォローや再受講対象を決定するなどの対応が可能になります。また、テスト問題の難易度判定にも役立ちます。

指摘事例4教育訓練記録の実施記録と受講記録が不整合である

教育訓練を行った側の「教育訓練実施記録」と「個人別の教育訓練受講記録」とで内容が異なっていたり、日付や時間が整合していなかったりするなどが多い場合に指摘されます。記録の不整合が多いと記録自体の信憑性が疑われてしまいます。ICT化によって教育訓練実施情報を一元管理でき、手書きで帳票を作成していた際の記録の不整合を防止します。

指摘事例5逸脱・苦情→CAPA(Corrective Action & Preventive Action:是正処置及び予防処置)→変更管理→文書管理などの業務連携により、適切なタイミングで教育がされていない

実際の業務は縦割り組織により遂行されており、業務間連携を強化し、適切なタイミングで、かつ対象者全員に抜け漏れなく教育を行うことは非常に複雑な業務になります。ICT導入により仮想グループ化で組織をまたいだ複数の対象者を管理し、関連するカリキュラムを一括管理できることで教育の抜け漏れ防止策を講じることが可能となります。例えば、設計審査資格者教育を行う場合、対象者は複数部門に渡り、条件管理等も非常に複雑ですが、設計審査者グループ化をすることで管理を容易にする事が可能となります。また、苦情受付から原因調査、再発防止といった一連の苦情対応プロセスに端を発する改善活動(CAPA)や変更管理業務を遂行するには、長期化することもありますし、状況に応じて関係対象者への適切な教育内容を提供することが可能となります。

Quality Cultureの醸成を支援する教育訓練ICT

──ICT化によって多くの課題を解決できるということですね。では、理想的な教育訓練システムとはどのようなものでしょうか?

新井 教育訓練システムの究極的な目標は、各国の規制・規格に迅速に対応すると同時に、新人や転入者に対する効率的な教育を継続的に支援し、社内にQuality Cultureを醸成し定着させることです。教育訓練システムのPDCAサイクルを中心に教育管理に求められるものをまとめると図4のようになります。

図4 Quality Cultureの醸成・定着をもたらすQMS教育訓練システム

──医薬品・医療機器に関わらず医療分野は、医学的知見や診断・治療の技術が常に進歩・変動しながら、一方で高い安全性や品質が厳格に要求される市場でもあります。教育の継続性が非常に重要だと感じます。

新井 PDCAサイクルを中心に置いているのはまさにそのためです。「Action」で行うアンケートやテストの評価・結果分析が非常に重要で、それを「Plan」に反映することで継続的な教育の質の向上をはかれます。

──最後に、教育管理システムとして豊富な実績のある『Generalist®/LM』についてご紹介ください。

新井 『Generalist®/LM』の特長は、先ほど述べた複合的な教育訓練カリキュラム(ブレンディング)の管理、PDCAサイクルの実現、教育訓練記録の作成支援(または出力)で、これによって医療機器のQMS領域での教育訓練をサポートします。

規制が求めているのは、知識をもって十分な訓練を積んだ要員が業務にあたること、監督責任のある者の資質を確保すること、Quality Cultureの醸成・定着化が仕組みとして機能していることです。

教育に関わる管理コスト削減の為に『Generalist®/LM』のような教育管理システムを活用して、規制対応と同時にQuality Cultureの醸成を実現していただきたいと思います。

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