MEDTEC Online

AMA、「意図的な破壊」を目指してスタートアップへの投資を

AMA、「意図的な破壊」を目指してスタートアップへの投資を

米国医師会(AMA)は、医師のアイディアを活用してヘルスケア市場で製品化を行おうとするカリフォルニア州のスタートアップに投資を行う。

By: Arundhati Parmar(オリジナルの英文記事はこちら

シリコンバレーは間欠的にヘルスケアを技術的に破壊しようとしてきた。

AMAはこのような破壊をより意図的に起こすことによって支援を目指している。

1月11日、AMAのCEOであるJames Madara医師は、医師コミュニティの専門知識を活用し、ヘルスケアを変革するためにそれを設計者、学際的な科学者、エンジニアの専門知識に結びつけるための新しいスタートアップであるHealth2047の設立を発表した。AMAはHealth2047から生まれる製品やアイディアを推奨することなく、同社に1,500万ドルを出資し株式保有を行う。

サンフランシスコを拠点としDouglass Given医師によって率いられるHealth2047は、商業的成功と変革的価値について90日以内という早さでアイディアの評価を行い、このようなアイディアの迅速なプロトタイプ化の方法も提供する。新たな製品やソリューションの商品化は、既存のヘルスケア企業、ベンチャーの支援を受けたスタートアップとの連携、あるいは複雑な医療制度に向けた有望なソリューションをもつ独立のスタンドアローン企業によって行われる。

上記のすべてにおいて、Health2047は医師のアイディアへのアクセスを持ち、医師が製品開発のごく早期にアイディアをインプットできる、同業種で初めての組織を設立しようとしている。

「私たちがHealth2047を設立したのは、米国のヘルスケア制度が、なるべく早くシステムレベルの革新を生み出す意図的な破壊(purposeful disruption)を切実に必要としているからです」とGiven氏はニュースリリースで述べる。

また、Madara氏はメディアとの電話会議で、営利を求めるスタートアップがシリコンバレーの技術力とヘルスケア・システムをつなぐ架け橋となり、新製品開発には医師のニーズへの理解が含まれることを示唆した。

「架け橋を考える上で重要なのは、システムを扱っているという認識を持つことです」とMadara氏は説明し、ヘルスケアを変革するためにはシステム・エンジニアリングの原則が必要であることを指摘する。

Madara氏によれば、破壊や革新は、ヘルスケアのエコシステムにどのようなインパクトを持つかとは関係なく、単に「システムにもたらされる製品」を超えたものでなくてはならない。

Given氏は、Health2047 ―AMAが設立された1847年の200年後のヘルスケアを想像するために名づけられた―は下記の4つの分野で製品開発に乗り出すと説明する。

  • 慢性疾患に対するシステムレベルでのソリューション(例えば、データと実用的な知識を医師‐患者関係に持ち込むことで、全般的な疾患管理にかかわる行動変容をもたらすソリューション)
  • コネクティッド・ヘルス・ソリューション(例えば、プライバシーを確保しながら、医師‐患者‐介助者を結びつけ、ケアチームを成功に導くものを認識し共有できる「ソーシャル・ネットワーク」)
  • 価値に基づくヘルスケア(例えば、医師や医療行為がボリューム・ベースから価値ベースの報酬に移行するように支援するツール・キット。理想的には税制の変更に連動する税管理ソフトのように、制度の変更を容易に組み入れることができるもの)
  • 医師、医療サービス提供者、保険者、患者のためのコラボレーションモデル(例えば、医師がイノベーション・サイクルに参加できるように構築された活動的なコラボレーションとコミュニティをもたらすネットワーク・プラットフォーム)

Health2047が成功したら、2047年のヘルスケアはどのようなものになるだろう?その一端をMadara氏がこの休暇期間に経験したという。慢性疾患をもつ家族の主治医がある医療センターから別の医療センターへ異動したが、主治医はデータを前の職場から持ち出せなかったため、記憶に頼って患者を治療しなければならなかった。

「2つの医療センターには同一のITプラットフォームがありましたが、移行できる情報はありませんでした」とMadara氏はいう。「解決する必要のある根本的な問題があります」。

Health2047がこのような課題を解決すると勇気づけられるのは医師ばかりではない。

カテゴリー: