膝関節の再現性を追求したリハビリ支援ロボット:KAI-R

By: Medtec Japan編集部

山梨大学、市立甲府病院、サンコール株式会社、大日本印刷株式会社による歩行リハビリ支援システム開発コンソーシアムでは、膝の曲げ伸ばしをサポートする装着型のアシストロボットを開発した。

(KAI-R製品紹介ページより)

最大の特長は膝関節部分のカム機構で、回転とともに回転中心が後方にずれるロールバックとよばれる人間の膝の構造を再現するため、非円形ギアと溝カムを組み込んだカム式回転すべり膝関節機構を新たに特許技術として開発した。これにより装着の違和感や装着時のずれをなくし、膝の動きへの追従性を高めた。

サイドのパネルにより関節角度とアシストパワーを設定することで、膝屈曲補助、膝伸展補助、腿上げ運動誘導を可能にする。また、歩行中の関節角度、足底の着地状態、アシスト量などを無線送信によりタブレット端末に表示して、歩容分析や履歴比較ができる。

対象は人工膝関節置換術(TKA)後の患者。同コンソーシアムでは、軽量化や操作性の向上などの改良を行いつつ、医師主導型の臨床研究を継続し、日本で医療機器としての承認取得後、2018年の販売を目指す。

従来の人工膝関節置換術後リハビリでは、患者ごとに最適な歩行動作を指導することが難しく、入院期間の長期化が問題となっている。本システムにより、より患者にフィットしたリハビリを可能にし、入院期間の短縮につながることが期待される。

 寺田英嗣 教授(山梨大学)に聞く

──ロールバック膝関節機構の開発のきっかけや苦労した点は?

2号機(現在は7号機まで改良)では膝下をリンク機構でアシストする構造を提案し、現場の医師・理学療法士に実物を見せましたが、「指をはさむ」リスクを指摘されたことが本機構の開発のきっかけです。

すべて内蔵可能な形状にするため非円形歯車と溝カム機構の組み合わせを用いることにしましたが、リンク機構と同等性能にするための適切な数学的条件を求めるところが苦労した点です。

──医工の連携における印象深い経験は何ですか?

医学部と工学部ではものの「見方」が異なるため、「工学部」では簡単なことでも「医学部」では実現できないとあきらめていたり、その逆に「工学部」では使えない技術と思っていたことが「医学部」で使えたりということもあります。

15年前の話ですが本アシストロボットもそもそもは産業用ロボットの延長でパワーアシストを目的に研究を行っていました。何かの折に医学部の先生が見て膝のリハビリテーションに使えるのでは?と言い出したのが研究のスタートです。

■ KAI-R製品紹介ページhttp://kai-r.jimdo.com/

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