2015/11/19
FDAからの攻撃を招いてから2年後、遺伝子検査会社の23andMeがヘルス関連検査の市場に戻ってきた。
By: Chris Newmarker(オリジナルの英文記事はこちら)
最近では血液検査会社のTheranosがシリコンバレーからヘルスケア業界に打って出たが、FDA関連の落とし穴にはまってしまった。
しかし遺伝子検査会社の23andMeがヘルス関連検査業界に戻ってきたことから、このようなダメージはそれほど長引くものではないかもしれない。
ある規制関連の専門家によると、Theranos社は規制関連のトラブルによって100万ドル以上の損失を受けるだろうという(関連記事)。さらにWall Street Journalが同社の技術を批判する記事を続けたことから、潜在的にも多くのビジネスチャンスを失ったかもしれない。
2013年の後半に、23andMeが「『保因状態』、『健康へのリスク』、『薬剤反応』、特に被験者が糖尿病、冠動脈疾患、乳がんのような深刻な病気を軽減できる『予防の第一歩』のようなカテゴリーを含む『254の疾患と病態がわかる検査』」を販売したことを問題視するFDAの警告の後にヘルス関連の遺伝子検査を販売した際に、どのようなトラブルに同社が対処したかは、振り返る価値があるだろう。
それ以来、同社の創業者兼CEOのAnne Wojcicki氏はFDAとの協調を最優先してきた。
「それは単に何を知らないかという問題にはとどまりませんでした。私たちは完全に方向転換し、適切な人材を雇う必要があったのです。私たちは大きなミスコミュニケーションを犯していました。正しい方法を実施しているということを確実にする必要があったのです」とWojcicki氏は最近BloombergBusiness誌に語っている。
先月(2015年10月)、ユーザーの理解度テストや再設計に関するFDAとの2年間の連携の後、23andMeは新しく保因状態や健康状態、遺伝形質、祖先レポートを含む199ドルの検査を販売開始した。
注意すべきは保因状態の検査は、病気の診断や将来的な発病リスクを第三者に知らせるためのものではないということである。この検査の意義は、子孫に遺伝するかもしれない嚢胞性線維症や鎌状赤血球貧血のような病気の遺伝子を保因しているかの判断をサポートすることにある。
投資家からの見方は好意的だ。この10月に23andMeはFidelity Management & ResearchによるSeries E roundで1.15億ドルを調達した。
Bloomberg誌に語ったところによるとWojcicki氏は残りの人生を同社に捧げるという。「売却には興味はありません」(Wojcicki氏)。
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23andMeの唾液検査キット(提供:23andMe) |