義手に触覚を生み出す新しいセンサー

By: Kristopher Sturgis(オリジナルの英文記事はこちら

Stanford大学は、新しい圧力センターを人工装具用の人工皮膚に形成可能な平坦で柔軟性のある材料に設計したと発表した。これにより人工装具のユーザーは触覚や、その他の今までにない感覚を得られる。

新しいプラスチックの皮膚は、脳細胞に直接伝達される電気信号を発生させることにより、ユーザーが物体表面の硬さを検知できるように作製された。研究グループのリーダーであるZhenan Bao教授(Stanford大学ケミカルエンジニアリング)は、圧覚を検知し脳に送る新しい技術について大学に語った。

「これは圧力を検知し、信号を神経システムの部分に伝えることのできる柔軟性のある皮膚様の最初の材料です」と彼女はいう。「これまで実験から実用へ至る様々な研究を行ってきましたが、ようやく人工皮膚を実用化する明確な道筋を見つけることができました」。

義手の指先のセンサーによって触覚が可能になる

Bao氏と研究グループの目標は、圧力の違いを判別できるようにする感覚メカニズムを再現することだ。センサーは、上層がセンシング機構をもち、下層が電気信号を伝送し、それを神経細胞に適合的な生化学的刺激に変換する回路となっている2層構造のプラスチックで構成されている。

研究グループの最新の設計は、通常のヒト皮膚と同じ感度で圧力を感知できる上層のセンサーを特長としている。これによりユーザーは軽い指のタップからしっかりとした握手に至るまでの圧力の違いを識別することができる。

研究グループは、微小なプラスチックセンサー内にまき散らされた数十億ものカーボンナノチューブを用いることで、電気的な圧力感知能を作り出した。プラスチックセンターが押されたり、つままれたりすると、これらの微細なナノチューブが縮み、接近することで電気が産み出される。短パルスの電気で圧力情報を脳に伝えることによって、ヒトの皮膚の触覚を再現できるという考えである。

新しいセンサーではより多くの圧力が加われば、カーボンナノチューブがより緊密に押し込まれ、より多くの電気がセンサーを伝わり、様々なインパルスが感覚器官に短パルスとして送られる。圧力の一部が除去されると、カーボンナノチューブは再配置され、パルスの流れは弛緩し触覚はより軽いものになる。圧力がすべてなくなると、感覚器官に送られるパルスは全停止する。

現在のところこのセンサーはヒトで実験されておらず、センサーからの信号が神経細胞に実際に伝達されるかを確証する必要なステップであるin vitroのマウス脳での確認が行われたのみである。研究グループは最終的に、失われた手に接続した末梢神経に情報を送るためにセンサーを用いることを目指している。

人工装具の将来は有望にみえるが、自然の触覚を完全に再現する段階ではないことは研究グループも認識している。彼らの最終的なねらいは人工装具と患者を結びつけるインターフェースを作り、それによって患者が触覚と装具のコントロール感覚を得て筋肉と神経を連動させることである。

カテゴリー: