生体分解性インプラントによる骨折治療

整形外科的傷害のある患者の骨治療に、合成の生体分解性インプラントを用いる最近の研究結果が発表された。

By: Kristopher Sturgis(オリジナルの英文記事はこちら

Beaumont病院(ロイヤルオーク、ミシガン州)とJohns Hopkins大学の研究者らは、腫瘍除去や脊椎固定術、骨折修復の後に骨置換術が必要な患者に新しい実験的材料をゴールドスタンダードとすることを目指している。

しかし、彼らが開発中の材料、コーンスターチとモンモリロナイト粘土として知られる火山灰由来のプラスチックには実験と規制面でまだ多くのハードルがある。

実験材料は、発泡体類似のインプラントとなる二酸化炭素を用いたポリマー・粘土混合物を注入することによって作製されるが、実際は人間の骨と同様に固形で多孔質となる。生体分解性ポリマーはモンモリロナイト粘土のナノ粒子によって補強され、18カ月以内に体内で分解する。

「体内でのポリマーの分解速度は予測可能です」とBeaumont整形外科研究センターの所長であるKevin Baker博士はいう。Baker氏はこの特殊な材料を開発するためにJohns Hopkins大学のRangaramanujam Kannan博士と共同研究してきた。

「有機的に修飾したモンモリロナイト粘土でポリマーを補強するというアイディアは、ポリマー粘土のナノ複合材料を開発したKannan博士の以前の研究によるものです。これによってポリマーの機械的性質は高度に強化され、日常的に骨にかかる負荷に耐えられるレベルになります」。

Baker氏とKannan氏は、患者の体内に他の恒久的物質を移植することなくこの新材料を使うことを目指している。現在の骨移植では金属やプラスチックの補強を要する術式が多く、将来的な感染の懸念やMRIやCT検査時の問題がある。

しかし、骨移植材料の規制プロセスは長く時間がかかり、困難になる可能性がある。しかも新しい技術を含む場合には、より複雑になる。

「骨移植材料の規制プロセスが困難なのは理由があります」とBaker氏はいう。「実際にヒトの治療に使える承認を得るには、非常に多くの前臨床テストが必要です。もちろん、私たちが前例のない材料を開発していることもチャレンジになります」。

Baker氏は、この新技術の様々な可能性を証明するためにin vivoの研究を続けたいという。これによって骨折治療や脊椎固定、骨欠損修復に新材料を使えると考えている。さらにこの研究から、新たなアイディアや技術が派生する可能性があるという。

「今後適切な検証の枠組を作り、新材料によって患者の生活に違いをもたらすことを証明できれば、この技術の市場化に向けての連携を希望するパートナーを見つけることができると思います」とBakers氏はいう。

Baker氏は、彼らの新技術が患者ケアの改善において安全で効果的なソリューションを提供する点で成功を収めるだろうと信じている。

「この技術は非常に有望です」と彼はいう。「適切なパートナーと連携することで、ヒトでの使用に向けて前進でき、新しいアイディアにも出会うことができると考えています」。

Kevin Baker氏(提供:Beaumont病院)
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