中国のファーストトラック承認プロセスとは?

中国の会社以外でも革新的な医療機器については、国家食品薬品監督管理局によるファーストトラック(迅速)承認プロセスを利用できる。専門家がこのプロセスを解説する。

By:Marie Thibault(オリジナルの英文記事はこちら

米国の規制当局と同様、中国の医療機器規制当局である国家食品薬品監督管理局(CFDA)は医療機器の承認プロセスを迅速化する方法を提供している。2014年2月、CFDAは革新的機器に対するファーストトラックプロセスを設定したと発表した。

Ropes & GrayのパートナーであるKatherine Wang氏は10月20日のウェビナーでファーストトラック承認が「海外のメーカーにとってますます現実的になって」きており、これを利用することでかなりの時間節約になると述べた。「中国の医療機器市場:新制度と高くなる賭け」と題したウェビナーはマサチューセッツ州医療機器産業会により主催され、中国における最近の規制状況の変化を取り上げた。

利益が見込まれるにもかかわらず、多くの機器メーカーはファーストトラックプロセスに参加していない。なぜだろうか?考えられる原因がいくつかある。Wang氏とMcKinsey & CompanyのパートナーであるFlorian Then氏はウェビナーの案内で、次のように書いている。「ファーストトラックを活用しようというメーカーは少数です。知的財産上のリスクと、時間の節約が証明できないことが妨げになっているという人がいます」。

もう1つの潜在的な原因は、中国の機器メーカーを優遇するような不公平感かもしれない。2014年にファーストトラック承認プロセスが発表された際に発表されたRopes & Grayの警告によると、本方針の草稿段階では、ファーストトラックの利用は中国の機器メーカーに限られていた。「国内の医療機器メーカーにしか申請資格がないとした2013年3月の草稿と異なり、正式な発表では国内だけでなく海外の機器メーカーもファーストトラックを利用できることになりました」。

Wang氏によると、海外メーカーは当初の草稿に反対する働きかけを行い、国内企業だけに資格を与えるのは差別的であると論じた。CFDAはより包括的な方針に変更したが、多くの海外メーカーは、実際にはこの施策が国内企業のみを対象とするものではないかと考えている。しかしWang氏は、これは誤った考えで、海外メーカーの革新的機器に対してファーストトラック承認が適用されているという。Wang氏とThen氏によると、ファーストトラックの指定を受けた34のうち2つの医療機器が海外のものである。

Wang氏は承認取得のために以下の重要な要件をあげた。

  • コア技術において、取得済み、あるいは発表済みの中国の発明特許があること
  • 作動メカニズムが中国初であること
  • 性能と安全性の点で、類似製品と比べて顕著に改善されていること
  • 技術が世界的に最先端であり、臨床応用に明確な価値があること
  • メーカーが初期の研究開発と基本設計を完了していること
  • 研究開発が信頼でき、コントロール下で行われていること
  • 研究開発データが完全でトレーサブルであること

Wang氏によると、製品のコア技術が中国の取得済みあるいは発表済みの発明特許によってカバーされていることが特に重要であり、同時に海外の機器メーカーが行き詰まるポイントだという。中国で特許を申請することにより、企業秘密を危険にさらすことになると懸念する海外企業もある。しかし、特許は米国特許商標局などの他国の制度でも評価されるので、そのような懸念には根拠がないとWang氏は指摘する。「個人的には、中国で特許取得することで危険が増すことはないと思います」とWang氏は述べる。

ファーストトラックプロセスによって承認までの時間が短縮することは証明されていないという懸念に対しては、高リスクのインプラントでは時間短縮の効果は大きく、2~8ヵ月程度になるだろうとWang氏はいう。「ある国内企業の角膜インプラントは申請から80営業日で承認されました。インプラントでは通常6~9ヵ月かかっていることを考えると、非常に早くなっています」。

カテゴリー: