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FDAがTheranosの問題で通知

FDAがTheranosの問題で通知

【お詫びと訂正】本翻訳記事の公開当初およびデジタルニュースにおいて、タイトルおよび一部本文が「FDAがTheranosの問題で警告」との内容になっておりました。正しくは、本記事掲載時点でTheranos社に対してFDAから警告文は出されておらず査察結果(Form 483)が出された段階です。謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正させていただきます。(2015年11月11日 MEDTEC Japan 編集部)

FDAの査察書類によって、注目のベンチャー臨床検査会社Theranosの採血管が「未認可(uncleared)の医療機器」との指摘を受けた。

By:Chris Newmarker and Brian Buntz(オリジナルの英文記事はこちら

FDAはTheranosの画期的な血液検査の認証に関して圧力をかけていることが新たにわかった。同社の苦境が続いている。

数十億の資本を集めたと話題のシリコンバレーのベンチャー企業とその創業者兼CEOのElizabeth Holmes氏に対するFDAの査察によれば、同社の指先からの採血に用いるnanotainer管は同社が主張するクラスⅠではなく、未認可のクラスⅡ機器であるという。

nanotainerをもつTheranosのCEO、Elizabeth Holmes氏

8月下旬から9月上旬に行われた査察によるForm 483レポートでは、その他にも多くの点をリストアップしている。設計検証上の問題、設計時の書類不備、苦情の扱いに対する不適切な手続き、苦情に対する調査不備、修正・予防手続き、ソフトウェア認証、潜在的な部品供給元の認証に関する書類不備、部品供給元に関する記録不備、機器の履歴に関する手続きの不備、品質査察の不履行といったものだ。

ウォールストリートジャーナルは、今回のレポートによって以前から報道されていたことが裏付けられたとし、「TheranosはFDAの圧力によって1つを除くすべての検査でこの採血管の使用を停止した」と査察関係者の言葉を引用している。

Theranosは2つのForm 483の査察結果は同社の分析機器や生化学機器、製造インフラに関係しないと反論した。「すべての査察結果は臨床検査室安全法(Clinical Laboratory Improvement Amendments:CLIA)による臨床検査室の品質枠組みにあるnanotainerに向けたものです。査察結果にしたがって訂正することはFDAの品質システムの枠組みに移行することを意味します」とTheranosは声明で述べた。

「査察時あるいは査察後1週間以内に私たちはすべての査察結果について解決し訂正し、そのように述べた文書をFDA-QSRへの移行の計画と追加の文書とともにFDAに提出しました。FDAの考察はかなり基礎的な内容でした。私たちも今が変化する時期と考え、施設開発検査(laboratory developed test:LDT)の枠組みからFDAの品質システムの枠組みに移行することに賛成しています」。

Vascular Sciencesの社長で規制コンサルタントのMike Drues氏によれば、Form 483にあげられている問題の多くは実際に非常に基本的なミスだという。「会社側の準備ができていなかったということなのです。有能な規制対応の専門家、つまり規制が何かだけでなく規制側のねらいが何かを理解している人に頼めば簡単に避けることができました」とDrues氏はいう。

Creo Qualityの創業者でgreenlight.guruの共同創業者であるJon Speer氏も同じ見方だ。「こうした問題はすべて、スタートアップだけでなく多くの医療機器メーカーにとって一般的なものです」とSpeer氏はいう。「Design Controls and Risk Managementの文書化やQMS体制を確立せずに、FDA 510(k) 承認を取得するという大きな誤解があります」。

「483の査察結果からTheranosが体制上の問題があるのは明らかです」とSpeer氏はいう。「FDA21 CFRパート820による品質管理システムを確立し遵守することが要求されますが、それは医療機器メーカーにとってはビジネスとして理にかなったものです。さらに査察では、設計管理とリスク管理を確立し文書化することの重要性が強調されています」。

このニュースの前には、Theranosの血液検査をアリゾナ州の40店舗で採用するパートナー企業であるドラッグストアチェーンWalgreensがTheranosの血液検査技術を精査しており、これ以上の店舗に拡大する計画がないことを報じたウォールストリートジャーナルの記事があった。Walgreensの広報であるJim Cohn氏は10月26日「現在、両社の関係性の次なる段階について議論をしている」と述べている。

Theranosは、血液1~2滴で単純ヘルペスウイルス1型を検知できる検査システムのFDA承認を強調してきた。さらに追加の検査について同社の技術を証明するために承認を求めている。Holmes氏はNew Yorker紙に昨年「FDAの承認は製品の品質の指標になります」と述べている。

Theranosの技術は血液検査であるため、FDAの承認は任意である。Drues氏によると、施設開発検査(laboratory developed test:LDT)の規制はグレイゾーンで、「病院によるLDTは医療実践の範囲内であり、FDAの規制は及ばない」という。

Theranosの苦境から何を学ぶことができるだろうか?Drues氏は、医療機器の専門家は積極的に先回りし、課題を特定し、できるだけ早く解決を見つけ出せるような提携関係を模索することを推奨する。「追従するのではなく、主導するのです。尋ねるのではなく、語ることです。何をすべきかは私たちが決めればよいのです」とDrues氏。さらにFDAと提携することは非常に戦略的な方法だと付け加える。

また10月26日の夜、Holmes氏はTheranosの技術の正確性を支持するデータを公表していくと述べている(ニューヨークタイムズ)。

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