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医療機器の起業にあたって考えるべき6つの質問

医療機器の起業にあたって考えるべき6つの質問

革新的な医療機器を思いついたとして、何から始めればよいだろう?私が起業家を指導する際によく用いる質問を6つに整理してみた。あなたも起業を思い立ったら以下の質問への答えを考えてみたらどうだろう?

By: Geoff Rogers (オリジナルの英文記事はこちら

私のおじのお気に入りの言葉は“KISS”だった。これは“Keep It Simple Stupid!”の略で、私にとっても大好きな言葉になった。これを医療機器の開発に当てはめて、新しい技術の計画を以下のようなアプローチでシンプルに考えてみよう:

  • あなたは今どこにいますか?(「ランドスケープ」)
  • あなたはどこに行く必要がありますか?(「目的地」)
  • あなたはどうやってそこに行きますか?(「ロードマップ」)

十分にシンプルだろう?次に、いくつかの具体的な質問を考え、いくつかの基本的なコンセプトについて知っておく必要がある。例えば、「ランドスケーピング」「ロードマッピング」「MVP(minimum viable product)」「MLP(minimum loveable product)」「FTO(freedom to operate)」「de-risking」「デューディリジェンス(due diligence)」などである。これらの言葉について知らなくても心配しなくてよい。私の記事を読めばわかるようになるから!

Q1:あなたはどのような課題を解決しますか?

まず、あなたが解決しようとしている課題を明確にしよう。当たり前のように思えるが、ここで多くの人が誤っている。彼らはソリューションやソリューションの一部からスタートするが、まず課題そのものの理解が不十分なのだ。

その場合、開発した後で製品の価値を納得させるために大変な努力をしなければならない。これは「マーケット・プッシュ」である。あなたが求めているのはその反対で「マーケット・プル」である。顧客があなたのソリューションを欲しくてたまらないという状態にしたいのだ。

Q2:あなたのMVPMLPは何ですか?

以前からMVP(most “viable” product)という言葉が使われてきたが、最近はMLP(most “loveable” product)に置き換わりつつある。私もMLPを使うようになった。MLPには、「十分よい」だけのものでなく、顧客に愛されるものを開発しようという考えが含まれ、MLPは市場への浸透や普及のカギになっている。ただし、どちらの言葉を使うにせよ「最初の製品が満たすべき最低要件をしっかり定義しよう」というメッセージは変わらない。例えば、第1世代のiPhoneにはカメラも指紋認証もなかった。ユーザーがiPhoneを愛するのにそのような機能は最初は必要なかったからだ。しかも、最初のiPhoneにすべての機能を詰め込んだら商品化が遅れていただろう。

Q3:あなたはFTOを持っていますか?

さて、開発にさらに時間を費やす前に、競合製品があるか、誰かが同様の製品を開発していないかを明らかにしておくことが重要である。その点で決定的なのは知的財産の状況を知ることのできるFTO調査であり、製品については特許調査を含む。

あなたは自分で調査を始められるが、かなり時間をかけて注力しなければならないし、検索語を注意深く選ばなければならない。また、検索は多岐の管轄にわたる必要があり、暫定特許やPCT(特許協力条約)による出願特許といった未登録の特許にも注意しなければならない。あなたが開発中のMLPと同じようなものがなく、検索結果がほとんどないことが望ましい。

Q4:どのような技術が必要で、それはどこから得られますか?

MLPの開発を進めるために、どのような既存の技術が必要になるだろうか?大量になるにせよ、ただ1つだとしても、すべてを列挙すべきである。次に、そのような技術が存在するのかを調べてみよう。存在するなら、それらをリストアップしよう。あるいは使いたい技術が特許技術であれば、FTOがない場合と同様でライセンスやその他の方法でどうやって使えるようにするかを考えよう。

必要な技術がまだ存在しないのなら、発明・開発する必要がある。どのように発明・開発するかを考え、何が必要になるかを考えなくてはならない。この段階でテクノロジー「ロードマップ」が必要になる。これによって、現在地から目的地までの道筋をできるだけ明確にし、リスクや障害、その対策を特定化するのである。

Q5:あなたは明確な知的財産権を保持していますか?

もし既存の知的財産を利用するなら、それが特許であれノウハウであれ、他のどのような形であれ、その知的財産を明確に所有していることを確認する必要がある。

これは企業や研究機関に雇用されている場合には特に重要な質問になる。ある組織の雇用の枠内で知的財産を開発したのであれば、その組織はその知的財産への権利を有する。それほど知られていないことだが、あなたが勤務時間外で何か開発したとしても、その組織は知的財産への権利をもつ可能性がある。また、このことはある機関で教職にある人の場合にも当てはまる可能性がある。

このような問題については専門的な助言を得るのがよい。疑わしい場合は、組織の法的部門から知的財産権を主張しない旨の書面をもらうことを検討しよう。何をするにせよ、このステップを避けることはできない。これは大きな問題にありうるし、将来の投資家はこの点を尋ねるかもしれない。

Q6:次に何をしますか?

1~5までの質問に答えたら、あなたは次にどうするかかなりクリアなイメージが掴めているだろう。それには重要な既存技術を利用するための方法、技術的な難点を解決するための作業、組織内の技術不足の解決方法、資金調達などが含まれる。いずれにせよ、ロードマップを手にした今、それに従って進もう!

■ 筆者Geoff Rogers博士は次世代の医療機器開発・商品化を専門とするエンジニア、起業家で、数多くの医療機器会社を共同設立し、指導している。IntelliMedical社の創業者としてよく知られている。

Geoff Rogers博士はインターベンション治療用のロボット制御によるガイドワイヤーを開発したIntelliMedical社長
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