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虫歯を見つける新しいイメージング技術

虫歯を見つける新しいイメージング技術

英国Dundee大学発ベンチャーであるCalcivis社は、虫歯が顕在化する前に歯の脱灰をリアルタイムで評価し、虫歯が顕在化する前にその進行を可視化する独自の画像診断システムを開発した。

By: Adele Graham-King

提供:Calcivis

虫歯とは、細菌が歯のエナメル質を侵すという不十分・不適切な歯科衛生によって生じる。歯の表面から食べかすや糖分、酸を十分に除去しないために歯の表層のミネラルが溶け出し、歯の崩壊と痛みにつながる。虫歯の治療は、歯を効果的に穴埋めすることによって行われるが、穴埋めができないほど悪くなると、抜歯が唯一の手段になる。全世界で世界総人口の3分の1にも及ぶ25億人の成人が虫歯を持っていると考えられ、これによって莫大な医療費がかかっている。

現在のところ虫歯があるかどうかの診断は視覚上のマーカーと診察をレントゲンと組み合わせて行われている。この現状では、潜在的な虫歯を見逃したり、不必要な治療を行ったり、レントゲンに無駄にコストをかけたりすることが起こりうる。

2011年に設立されたCalcivisは、歯科医が虫歯の原因である歯の脱灰をリアルタイムで把握することができる画期的な技術を開発した。「齲歯活動性および脱灰イメージングシステム」と名付けられたこの技術では、歯冠表面の遊離カルシウムイオンの検知を促進する生物発光技術が用いられている。脱灰が進むと歯冠でカルシウムイオンの濃度が上昇するので、それを目に見える形に変換し、検出するといいう原理である。

このポイント・オブ・ケア(患者の診察時に用いる)機器は口腔内カメラと、歯の表面だけに直接発光タンパク質を塗布するアプリケーターで構成される。この発光タンパク質とカルシウムイオンが反応すると、青色光で描出される検出可能な光を発生させる。この検出とその後のカルシウムイオンの可視化によって、患者の歯一本一本ごとに「脱灰マップ」を作成することができる。一回の診察で、痛みのない、詳細な歯の健康評価が可能だ。

この新しい診断機器によって、歯の健康管理の中心は治療から予防にシフトするかもしれない。あるいは、虫歯は過去のものになるか、大幅に減少するかもしれない。Calcivisの学術協力者でありキングス・カレッジ・ロンドン歯科研究所の虫歯の権威であるNigel Pitts教授は「通常の歯科診療で虫歯の状態を評価できるとすれば、この世界で最も一般的な病気の管理が画期的に変わり、患者の生活も一変するかもしれません」と述べる。

Calcavisのシステムはいくつかのグループの共同で開発され2014年にCE認証を取得した。2015年の半ばには同社は、臨床試験の成功に引き続いて、英国での上市と米国でFDAへの申請を進めるために、助成金や株式投資から450万ポンドを確保したことを発表した。同社では2016年末の英国での上市とその後の欧州諸国での発売開始を目指している。

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