医療機器規制・認可の最前線 ―ビジネスを成功させる薬事支援―

By: MEDTEC Japan編集部

医療機器の承認申請コンサルタントであるコンピエーレ代表の麻坂美智子氏は同社の特色を「ビジネスを成功させるという視点をもった薬事支援」と話す。

同社では外資系医療機器メーカーで薬事担当と事業部長をつとめた麻坂氏の経験を活かし、薬事申請だけでなく製品開発や販売戦略まで視野に入れたコンサルタントを行う。「申請書類が重要なのはそれによって製品のセールスポイントも規定されるからです。申請段階で相談を受けることが多いのですが、ニーズ分析や製品コンセプトの局面まで立ちかえり、さらに将来の販売戦略も見通してアドバイスをします」と麻坂氏。

相談案件の3割程度は異業種から新規参入を目指す企業である。新規参入の企業は「ものづくり先行」でビジネスの視点が弱い印象があるという。技術に誇りを持ち、よいものをつくりたいという思いは技術革新の原動力となる。ただ、プロモーションにも関係する規制や、承認後の保険点数も見据えて利益とコストを考慮しなくてはならない点、使用状況からニーズをクリアにしてユーザビリティに配慮する視点も重要で、その点でアドバイスが有効な場合が多い。

最近増えているのは、2014年の法改正(医薬品医療機器等法)で医療機器の製造販売業で求められることになったQMS対応やPMDA(医薬品医療機器総合機構)の監査準備などの支援業務である。法改正によって医療機器用プログラムもソフトウェア単体として医療機器と認められたため、ソフトウェア開発の会社でも製造業あるいは製造販売業の業態取得が求められるようになったことも一因だ。新規参入の場合で直面する課題は、雇用が義務づけられる業務経験のある人員(国内品質業務運営責任者、安全管理責任者)の確保であり、人材不足(特に地方での)が新規参入の壁になっているという。

また、麻坂氏は経産省の開発支援ネットワークや地方自治体・商工会議所などの産業支援を介した相談も多く受ける。国の医療機器の開発支援としては、厚労省による国産医療機器創出促進基盤整備等事業、経産省の医工連携事業化推進事業、開発支援ネットワークがある〔2015年4月より日本医療研究開発機構(A-MED)で管理を一本化〕。「国のしくみを活用して自分たちの課題を可視化して進む道を考えてほしいと思います」と麻坂氏。

今後、医療機器はどこに向かうのか。「健康管理に対する意識の高まりや高齢化に向かって在宅医療がより普及すると、医療機器に特化したものはもちろんのことながら、介護福祉機器とのボーダーライン上の機器の需要が拡大するのではないでしょうか。また、介護するのは女性が多いという実情を考慮すると、女性の視点やユーザビリティの視点がますます重要になってくるでしょう」と麻坂氏のコメントであった。

■ コンピエーレ合同会社:https://compiere.jp/

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