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メディカルモニターとしてのApple Watch

メディカルモニターとしてのApple Watch

9月9日にサンフランシスコで開催されたアップルイベントでヘルスモニタリングが取り上げられた。アップルはApple Watchを用いて胎児の状態をモニターする方法や、医師が遠隔で患者をモニターする方法を実演した。

By: Brian Buntz

9月9日のアップル発表会で、これまでより大きなサイズのiPadや新しいバージョンのiPhone、Apple Watchの新しいOSが発表される中で、ヘルスモニタリングがここまで大きく取り上げられたのは驚きだった。

「発表会で最初にステージに上がった1人はAirStrip Technologies社の共同創業者であるCameron Powell医師でした。彼は新しいiOSを装備したApple Watchがヘルスケアにどれほどインパクトがあるかを発表しました」とアプリ開発会社の協会であるApp Associationのエグゼクティブ・ディレクター、Morgan Reed氏はいう。

Powell氏は最新のApple Watch用ソフトウェアとAirStripの技術を用いて妊婦が胎児の心音を聴く方法を実演した。この技術は母親と胎児の心音を区別するだけでなく、母親のバイタルサインを遠隔で医師に送ることも可能にする。医師は心電図データ、看護師からの警告、バイタルサインのまとめ、検査結果を含むさまざまな健康情報をほぼリアルタイムで入手することができる。

「このレベルの機能を実現しようとしたら、昔は病室の片隅に巨大な医療機器を置かなければならなかったでしょう」とReed氏はいう。

医師と結びつくことによってこの技術はさらに普及する可能性がある。「患者に何が起こっているか、どのような状態かを常に記録を取り、警告があれば看護師に連絡しようと考えている医師にとってはすばらしい技術です」とReed氏はいう。「医師はモバイル機器の1つの画面上でリアルタイムに妊婦の12誘導心電図や心拍数をモニターできます。これは非常に役立ちます」。医師にとってより効果的な患者モニタリングが可能になり、患者にとっては自分自身の健康管理への参加が可能になる。

AirStripの技術は病院で350万以上の妊婦のモニターに使われており、Apple WatchがAirStripの“Sense4Baby”モニターや“AirStrip One”アプリとともに使われると、医師は妊婦や胎児の健康状態を遠隔で把握できるようになる。

経験豊富な産科医でもあるPowell氏によれば「Apple Watchはヘルスケアの“game changer(大変革をもたらすもの)”になる」という。

AirStrip Technologies社はウェブサイトに膨大なアクセスを記録するなど非常に大きな注目を集めている。同社CEOのAlan Portela氏によるとApple発表会の直後から約20社の大企業から製品照会を受けたという。

発表会の一部分でPowell氏は、Apple Watchは米国HIPAA(医療保険の相互運用性と責任に関する法律)に準拠した患者情報を閲覧する認証も受けていると説明した。スマートウォッチ上でリアルタイムに患者情報をモニターする性能はwatchOS 2(スマートウォッチ用の最新OS)によって実現していたが、今回発表となった新機能では、1つのプラットフォーム上でリアルタイムの波形データと病歴データと比較できるようになった。「モニターした情報に基づいて医師は対応することができます。また、HIPPA準拠の安全なメッセージをケアスタッフに送ることができます」とPowell氏はいう。

アップルの新発売イベントでPowell氏が話すのは最初ではない。2009年には彼はiPhoneの患者モニタリングアプリの機能について話している。

アップルの株価は9月9日の発表後2ドルほど下落したのち翌10日には112.57ドルまで反発した。

AirStripの2015年の業績は順調で、予想より5%ほど売り上げが上振れしている。9月10日付のいくつかの記事によると同社は2016年のIPO(新規株式公開)を検討しているという。

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