FDAはイノベーションを妨害しているか?

FDAは新しい医療機器技術の評価ガイドラインの採用に慎重で、先駆的な中小企業は犠牲となっているとAriel Dora Stern氏(ハーバード・ビジネススクール)は述べる。

By: Chris Newmarker

ハーバード・ビジネススクールによる新たな調査によって、新薬と比較すると新たな医療機器に対するFDAによる審査期間は開発期間のわりに長いことがわかった。

Stern氏によると、医療機器市場のFDAの承認には実質的には医薬品の3倍の時間がかかりメーカーはそのために7ヵ月を余計に費やしている。1977~2007年のFDAの承認プロセスを分析したSternの概算によると、このような遅延によって高リスク医療機器の市場化にかかわる研究開発費の7%が費やされている。Stern氏の分析はハーバード・ビジネススクールのウェブサイトで公開された。「このような結果は、新しい製品開発には大きな不確定性があるという点で、組織工学や遺伝子治療の応用のような新たな医療技術の開発にとって示唆に富んでいる」とStern氏はいう。

また、このような遅延は技術の新規性によるものではない。Stern氏によると、植込み型除細動器(ICD)をふくめ既にFDAが承認した機器であっても、機器の仕様変更による新製品概要(プロダクト・コード)が受理されるには長い時間がかかるという。「調査結果から、重要なプロダクト・コードの新たな設定は特別であること、新たなプロダクト・コードに関連するカテゴリーの変更(管理上の新規性)によって承認に時間がかかることが予測されます」とStern氏は述べる。「評価基準が先行製品によって明確化されていない、あるいは非公式に確立していない場合に承認の遅延が起こります」。Stern氏があげるのは薬物溶出型ステントの例である。このタイプのステントは2002年に初めて申請されたが、その基準を示す公式のガイダンスがFDAから発表されるまでに6年間かかり、その間に5製品が商品化され4製品の承認が得られた。

医療機器産業にとってこのような規制状況は重要である。Stern氏の調査によると、新開発の機器の参入企業における中小企業の割合は、既存の機器に参入する企業より25~52%少ない。「新薬市場ではこのような現象はみられません。新薬市場では新しい中小企業が比較的参入しやすいのです」とStern氏はいう。「この結果は、医療機器市場では承認にかかわる不確定性とコストのために中小企業はより参入が難しくなっているという予測とも合致します」。

このような動向に対してFDAも医療機器イノベーション・コンソーシアムのような企業との連携を始めており、それが1つの希望の光となるだろう。

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