「21世紀の治療法」に賛否両論

「21世紀の治療法(21st Century Cures Act)」は下院で圧倒的な支持を得たのち、医薬品および医療機器の承認を迅速化するアプローチに対する賛否両論の論争を呼び起こした。

By: Brian Buntz

7月初め、下院は「21世紀の治療法」を344対77の賛成多数で可決した。同法案は、医療機器と医薬品が販売されるまでの時間を迅速化する一方、医学研究支援に8.75億ドルを計上するものである。現在、上院で審議が始まるところだが、評論家から対照的な反応を呼び起こしている。

議会はこの法律によって人々の生活が改善すると主張し、Atlantic誌も「医学研究にとって超党派の勝利」と評価している。一方で、New York Times誌は”The FDA’s Medical Device Problem”と題した論説で、「この法律によって、FDAの医療機器に対する不十分な管理がより弱体化する」と指摘する。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心臓医のRita Redberg氏と内科医のSanket S. Dhruva氏によれば、FDAが医療機器に対して要求する臨床試験の量は安全性を確保するのに十分でなく、市販後調査に対する視点も不十分で「多くの機器の不良や問題が表面化されないままになっている」。

さらに記事は、新しい法律によって510(k) プログラムの認証を第三者非政府機関が行うとする計画についても批判的である。新しい法律によって「機器メーカー自身が認証機関を選び、支払を行うようになる。それによって利益相反が生まれ、医師や患者が医療機器の安全性と有効性を信頼できなくなる状況になる」。しかし、このプロトコルは欧州で行われている認証プロセスと同様である。

新しい法律に含まれる、高リスクの医療機器承認のエビデンスとして症例研究や登録研究、医療系雑誌の掲載を認める計画についても批判されている。最近New England Journal of Medicine(NEJM)誌に発表された論文でも同様の批判が掲載されたが、この論文は、この法律には「新しい医薬品と医療機器の開発と評価を効率化するアイディアも含まれている」ということを認めている。

医療機器規制の最近の動向を批判してきたRedberg氏は、NEJM誌の批判と見解を同じくしており、2011年にはある論文で、メタル・オン・メタルの人工股関節インプラントの問題を指摘し、FDAによる「機器の承認制度は安全性と有効性を保証していない」と論じた。

「21世紀の治療法」は、Fred Upton議員(共和党、ミネソタ州選出)によって提出され、Diana DeGette議員(民主党、コロラド州選出)が数ヵ月法案の合意点を調査し共同提議に加わった。下院委員会では51対0の賛成多数で可決している。医薬品と医療機器の市場化を効率化する狙いに加えて、新たな法案ではNIHとFDAの資金援助を拡大する。それによって医学研究を促進し、「初期調査、高リスク・高報酬の研究」を育成することが狙いである。

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